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いっぱいあるよアジア製品

   社会編;市川博正記者

ケン

見て見て、この靴かっこいいでしょ。買ってもらったんだ!

市川記者

すごく似合ってるねえ。

ケン

ちょっと気がついたんだけど、小さな札に書いてある、これって何のこと?

市川記者

「MADE IN CHINA」。中国でつくられたものってことだよ。

ポン

えーっ、中国で!

市川記者

そんなにおどろくことないよ。三人のまわりにも中国や韓国をはじめ、アジアの国々でつくられた製品はたくさんある。

ジャン

ほんとだ。わたしのお気に入りの靴は「ベトナム製」、ぬいぐるみには「韓国製」って書いてあるわ。

安い費用ででき質も高くなり増加

身のまわりにあるアジア製品。靴やバッグ、文房具、時計などさまざまなものがあります。(写真は合成です)

ケン 本当にそんなにあるの。

―ポンくんのシャツはインドネシア製だし、おじさんのデジタル腕時計と電卓は中国製。取材で使うカセットテープも原産国は中国って書いてある。連休に持って行こうと思っているレンズ付きフィルムも中国製だ。

ポン すごーい!

―おもちゃでいえば、いま大人気のベイブレードも四割は日本でつくって、のこりの六割は中国でつくっているんだって。「朝日小学生新聞」の紙も韓国製なんだ。

ケン へぇー。

―経済産業省のまとめによると、中国や韓国、タイ、インドなどアジア26か国から輸入した品物の総額は、1990年に約9兆7千300億円だったけど、2001年には約17兆9千900億円と倍近くふえた=グラフ参照。
 世界からの輸入総額の中でみても、アジアは90年で約29パーセント、去年は約42パーセントをしめ、大はばにのびている。

ジャン でも、どうしてこんなに、日本以外のアジアからの製品がふえたの。

―日本はもちろん、アメリカやヨーロッパなど先進国で製品をつくるよりも安くできるからさ。中国や韓国、東南アジアなどの国々で働く人たちの給料や、工場を運営する費用などは、先進国よりずっと安い。だから、たくさんの会社が、そこで製品をつくるようになったんだ。

ポン ふーん

―製品の品質がよくなったことも、ふえた理由のひとつかもしれない。日本の会社などがアジアの国々の会社と協力したことで、ものをつくる技術が向上した。いまでは衣料品や家電製品だけでなく、携帯電話やパソコン、デジタルカメラなどのハイテク製品も生産されるようになっている。

ジャン すごいわ。

――でも、こうした製品がたくさん入ってくることは、日本の自動車や家電製品など、ものをつくる会社(製造業)にとってはたいへんなことなんだ。高い日本製品が売れなくなり、もうけが少なくなって、社員をリストラしなくてはやっていけない会社も出ている。前に勉強したけど、製造業の会社のほとんどが費用をおさえようと、ことしの春闘では、給料を上げないことにしたんだ。

ケン これからどうなるのかな?

―おそらく、アジア製品はますますふえるだろうね。先週、アジアの経済についての話し合いが中国で初めて開かれた。小泉首相も参加して「アジアの国々との経済的な協力を積極的にすすめていく」と演説した。日本をふくむアジアを、ひとつの大きな経済の仕組みのもとにまとめようという考えをしめしたよ。

ケン 決めた。連休は、「身のまわりのアジア製品調べ」をするぞ。

ママ テーマはいいけど、おねだりの口実はダメよ!

ポン 聞いてたの!?

(2002年4月20日)


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