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CO2削減へ各国が自主目標づくり

 

 

「COP19」で何が決まったの?


神田明美記者 朝日新聞 文化くらし報道部

 

 

ジャン ヨーロッパのポーランドの首都ワルシャワで「COP19」という会議があったと聞いたわ。

 

神田記者 国連の気候変動枠組み条約締約国会議だ。気温が上昇する地球温暖化を防ぐためにどうすればいいか、温暖化で出てしまう被害にどう対応するかなど、190か国くらいが集まって11日から23日にかけて話し合ったんだ。

 

ケン 大きな会議だ。

 

神田記者 「COP」は英語で「条約を結んだ国々の会議」という言葉の略なんだ。年1回開かれ、19回目だから「COP19」。

 

ポン どんなことを話したのかな。

 

 

 

COP19では世界の国々の代表者が集まって話し合いました=23日、ポーランド・ワルシャワ©朝日新聞社

 

 

 

 

――地球温暖化を防ぐための対策で、いま一番の焦点は、温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)などの排出を減らすため、すべての国が参加する新しい体制を作ることなんだ。
2020年に始めるため15年に「こういうルールでやろう」と合意することはすでに決まっている。COP19で決まったのは、CO2などを削減するための目標や計画を各国が自分たちで作ることだ。それを15年末に開かれるCOP21よりも前にしめす。


ジャン これまではどんな体制だったの?


――いまの体制は、1997年のCOP3で採択された「京都議定書」というルールだ。CO2などの削減を、経済が進んでいる先進国にだけ義務づけている。1990年に比べて、2008〜12年に日本は6%の削減目標が求められた。13〜20年は京都議定書第2約束期間だけれど、日本やニュージーランドは入っていない。


ケン 新しい体制は?


――京都議定書は先進国だけが義務を負って、条約交渉の中で各国の削減目標が決められた。
でも、新体制はそれぞれの国が自分たちで削減目標や計画を決める。すべての国が参加しやすくなる方法で、京都議定書に加わらなかったアメリカが提案した。経済の発展途中にある途上国と新興国も参加しやすいだろうと考えられている。一部の途上国と新興国は先進国との責任の差を求めているけれど、すべての国が参加する体制だ。

 

ポン 温暖化を防げるものになるのかな。


――190もの国は経済の発展段階もCO2の排出量もちがうから、同じ考えで一つにまとまるのは大変。どうしてもそれぞれの主張をゆずり合うものになる。自分たちが決める目標だと世界全体で温暖化を防ぐのに十分かどうか心配もある。


ジャン ほかには何が決まったの。


――COP19が始まる直前に、フィリピンで大きな台風被害があったね。地球温暖化が進むとあのような異常気象で被害が出たり、北極の氷がとけて海面が上がったりすることが心配される。そういう被害に対応する「ワルシャワ国際メカニズム」という仕組みを立ち上げることになった。


ケン 日本はどうすればいいのかな。


――COP19開催中に20年までの削減目標をゆるめて「05年比3.8%減」という弱い目標に変えた。各国から批判をあびたよ。この目標はまた見直す予定だからもっと高い目標が出せるといいね。


ポン ぼくたちにできることはあるかな。


――CO2は毎日のくらしの中で出しているから、電気をむだにしないようにしたり、紙や水を大切に使ったりすることもCO2を減らすことにつながるよ。


 

過去の記事↓

◆タイで何が起きているの?(2013年12月14日)

◆イランの核開発問題って?(2013年12月10日)

◆CO2削減へ各国が自主目標づくり(2013年11月30日)

2013年11月30日付

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