朝日小学生新聞
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中学受験に役立つ

2014年度中学入試問題を編集部が分析

 中学入試で多くの学校が出題する「時事問題」。朝日小学生新聞編集部は全国の国立・私立中学のうち50校以上の入試問題を分析し、2014年度はどんなテーマがよく取り上げられたのか調べました。問題を解くとき、朝小の記事が役に立ったと思われる出題もありました。

「憲法」「選挙」の出題めだつ

 特にめだったのが「憲法」にかんする問題。安倍晋三政権が改正に向けた意欲をみせていることから、多くの学校が取り上げたようです。
 浦和明の星女子中(埼玉)は第96条が定める内容として「憲法改正」と記述させました。浅野中(神奈川)や滝中(愛知)などでは、改正について定めた「(衆議院・参議院の)各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議」「承認には特別の国民投票または~(一部省略)において、その過半数の賛成を必要」といった部分から出題。「総議員」「3分の2以上」「天皇による公布」などが問われました。
 去年の夏にあった参議院議員選挙(参院選)を切り口にした「国政選挙」も頻出事項でした。
 学習院中等科(東京)は参議院の選挙権と被選挙権が与えられる年齢、参院選の比例代表で投票するときに記入するものなどについて出題。夏の参院選から解禁された「ネット選挙(インターネットを使った選挙運動)」について出題する学校も多く、西大和学園中(奈良)は、ネットの利用が認められた理由として「公職選挙法」の改正を記述。豊島岡女子学園中(東京)は誤った説明として「インターネットによる投票が可能となった」を選ばせました。

今春の入試でめだった憲法改正について解説した朝小の紙面(13年5月3日付)

今春の入試でめだった憲法改正について解説した朝小の紙面(13年5月3日付)

「富士山」「オリンピック」も

 多くの学校が取り上げたのが世界遺産に登録された「富士山」です。学習院女子中等科(東京)は評価されたポイントについて「富士山信仰という文化的伝統」「芸術的作品に影響をおよぼした」を選択させるという問題。四天王寺中(大阪)は一度は除外するように求められながら世界遺産にふくまれることになった場所(三保松原)、東邦大学付属東邦中(千葉)は富士山を描いた浮世絵『富嶽三十六景』の作者(葛飾北斎)をそれぞれ答えさせました。世界遺産や無形文化遺産の登録を決める国際機関の名称(ユネスコ)も頻出で、南山中学女子部(愛知)などが取り上げました。
 オリンピック(五輪)にかんする出題がめだったことも特徴です。開成中(東京)では東京をふくめて日本で五輪が開かれた都市(ほかは札幌、長野)について月ごとの平均気温や平均降水量を表した表を示し、各都市にあてはまるものを問いました。清風南海中(大阪)では冬季五輪が開かれたロシア・ソチと日本の時差を計算。洛南高校付属中(京都)は1940年の東京での五輪開催を辞退した理由を記述させました(解答例・日中戦争の激化など)。


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