朝日小学生新聞
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中学受験に役立つ

朝小 受験対策に一役 時事問題を徹底分析!

 中学入試で多くの学校が出題する「時事問題」。朝日小学生新聞(朝小)編集部は全国の国立・私立中学60校以上の入試問題を分析し、2015年度はどんなテーマがよく取り上げられたのかを調べました。「朝小のアドバイスが役に立ったのでは」と思われる出題もめだちました。2016年度以降の受験を考えているみなさんは、参考にしてください。

集団的自衛権・世界遺産 深い知識必要

 2015年度の入試でめだったテーマの一つが「集団的自衛権」。密接な関係にある外国が攻撃されたとき、自国がせめられていなくても外国を助け、反撃する権利のことです。四天王寺中(大阪)をはじめ、取り上げた学校の多くがこの権利の名前を答えさせました。
 鴎友学園女子中(東京)では安倍晋三内閣が閣議で憲法第9条の解釈をかえて行使できるようにしたことについて出題。憲法と国家権力の関係に触れながら、「立憲主義の危機」と批判された理由を記述させました(例…憲法は国家権力をしばるものであり、時の政権によって解釈がかえられるのでは、憲法がその役割を果たせなくなってしまうから)。
 入試の「定番」といわれるのが国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界遺産」。14年に文化遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」の場合、所在地の「群馬県」がよく問われました。早稲田中(東京)ではユネスコの日本語での機関名を出題。駒場東邦中(東京)では明治政府が官営工場を設立し、生糸の生産と輸出に力を注いだことについて、生糸の輸出が果たした役割を記述させました(例…生糸の輸出で得た外貨を工場の機械や綿花を買う財源にした)。
 「選挙」もよく出たテーマで、慶応義塾中等部(東京)などでは制度について出題。東大寺学園中(奈良)では15年1月現在の女性の国会議員数83人を示したうえで、総議員に占める割合を答えさせました。14年12月に選挙があった衆議院はもちろん、参議院の定数を知っているかどうかが問われました。

今春の入試でめだった憲法改正について解説した朝小の紙面(13年5月3日付)

今春の入試でめだった「集団的自衛権」を解説した朝小の紙面(2014年7月3日付)

火山・LED  噴火の影響など記述

 理科では「火山」をテーマにした出題がめだちました。御嶽山の噴火など去年は火山に関するニュースが多かったことが理由で、栄東中(埼玉)では火山の形をえがいた図を示し、浅間山や雲仙・普賢岳、キラウエア火山がどの形にあたるかを出題。聖光学院中(神奈川)では多くの火山が噴火したり、大きな噴火が起きたりしたとき、気温が下がる理由を記述させました(例…噴火による火山灰やガスなどで日差しがさえぎられ、気温が下がる)。
 14年のノーベル物理学賞も頻出のテーマでした。同志社中(京都)では受賞者の赤崎勇さんと天野浩さん、中村修二さんと関係が深いものとして「青色発光ダイオード(LED)」を選ぶという出題。東邦大学付属東邦中(千葉)では「光の三原色」を取り上げ、青色と合わせてほとんどの色を表現するときに利用されるほかの2色の組み合わせを答えさせました(赤色・緑色)。

紙面解説が試験に役立つ

 朝小は14年の秋から受験生の時事問題対策をサポート。年末まで週2回掲載した「ニュースおぼえているかな?」や週1回配信したPDFファイルでポイントを解説しました。そのアドバイスが実際の入試で出題されました。
 開成中(東京)では「台風」が最も多く本州に上陸する時期や日本を通過するときの進路などを出題。浦和明の星女子中(埼玉)では日本の天気に影響を与える気団の特徴などを問いました。こうした出題をイメージし、「気象」について解説したのが14年10月8日付の紙面でした。
 「皆既月食」「消費税8%」など今春の入試でよく出たテーマの多くも解説しており、読んでいれば解くときのヒントになったかもしれません。

今春の入試でめだった憲法改正について解説した朝小の紙面(13年5月3日付)

「気象」を解説した朝小の記事

読者合格者 早実3割以上、慶応中等部4割

選挙を解説した2014年12月2日付の紙面
選挙を解説した2014年12月2日付の紙面

 朝日学生新聞社は外部の調査会社にたのみ、東大寺学園中(奈良)と早稲田実業中等部、慶応義塾中等部(ともに東京)の合格者にどれぐらい朝日小学生新聞の読者・元読者がいるか、聞き取り調査をしました。東大寺学園中は29.8%、早稲田実業中等部は36.8%、慶応義塾中等部は41.1%と高い割合でした。
 東大寺学園中で聞いた合格者161人のうち48人、早稲田実業中等部は95人のうち35人、慶応義塾中等部は73人のうち30人が、朝小を読んでいる、または読んでいたと答えました。調査は、東大寺学園中が1月21日、早稲田実業中等部が2月2日、慶応義塾中等部が2月6日、それぞれ合格発表会場の近くで実施しました。
 朝小読者の合格者からは「選挙の記事などがわかりやすかった」(早稲田実業中等部)、「読む力、論理的に考える力がついた」(慶応義塾中等部)といった声がありました。


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