朝日中高生新聞10月12日
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大学入試でも4技能形式へ(第三種郵便物認可)202014年(平成26年)10月12日学習本のタイトル『生物部な毎日』の通り、幼い頃から虫が大好きだったぼくは、中高時代は生物部に入っていました。とても厳しく、日々、筋トレや走りこみをする「体育会系生物部」でした。中やつがたけ1の夏合宿は、八ケ岳のあかだけ赤岳で10日間のテント生活を送りながら生き物の観察をするというもの。30ほどの荷物を背負って、3千近くある山を登るのは本当につらかったですね。虫探しは体を張らなければダメ。ぼくはデパートで売られているカブトムシには興味はありません。苦労して虫を見つけた時、初めて感動します。本が大好きで、文学少年でした。高校でも文系の科目が得意でしたが、好きな生物のことを学びたいと、2年生の時に理系に進みました。好きなことや楽しいことでないと、続かないと思ったか我慢して好好ききを究める「朝の顔」として幅広い世代に人気の日本テレますたいちビアナウンサー・桝太一さん(33)。初の著書『生物部な毎日』(岩波ジュニア新書)では、小さい頃から大好きな生き物の魅力や何かに夢中になって取り組む大切さを伝えています。(近藤理恵)ます・たいち1981年、千葉県生まれ。麻布中学校・高等学校(東京)を経て東京大学農学部卒業。同大の農学生命科学研究科を修了後、日本テレビに入社。情報番組「ZIP!」の総合司会を務める。『生物部な毎日』(岩波ジュニア新書)を出版。(撮影・菊池康全)みなさんには、何かに夢中になったら、もう一歩深めるために「我慢」をしてほしいと思います。我慢してつらいことを乗り越えれば、好きなことがもっと好きになれるんです。また、知らない世界に触れて、意外なことを発見することも大切です。ぼくは、アナウンサーになって自分の知らなかったことにたくさん触れることができ、一気に世界が広がりました。例えば、入社後、プロレスの実況の担当になりましたが、それまでプロレスには苦手意識さえ感じていました。でも、今では専門雑誌を購入するほどのプロレスファンです(笑)。中高生は、大人扱いされる年頃です。小学生とは違うので、積極的に自分で物事を決めてほしい。例えば、家族旅行に行く時、親任せにするのではなく自分でプランを立てて、それを親に提案するくらいのことをしてください。自分の頭で考えて、行動することの楽しさを覚えてください。虫探しは体を張るべし未知の世界が意外と楽しい桝太一さん(日本テレビアナウンサー)らです。何かを学ぶ時は、好奇心が大切です。でも、数学は苦手だったので、受験では本当に苦労しました。社会に出てから、文系であっても数学は必要だということに気がつきました。数学的な見方ができれば、ただの数字の並びを、統計的にどういった意味があるのかと考えることもできます。中高生のみなさんには、決して数学から逃げないでほしいと思います。数学を「基礎中の基礎」から勉強して、なんとか東京大学理科二類に進学。大学ではアナゴ、大学院ではアサリの研究をしました。実験は楽しく、研究にも熱心に取り組んでいましたが、周りにはもっとすごい研究者がたくさんいて、自分は研究者には向いていないと思いました。その頃、「好きなことを人に伝えること」が得意だと気がつきました。理系のおもしろさを伝えられればと、アナウンサーや新聞社の就職を考え、縁あって日本テレビに入社しました。2050年ごろの日本は、グローバル化が進み、さまざまな言語、文化の人々と暮らし、仕事をすることが予想されるといいます。こうした中、英文の日本語訳や文法の学習に偏りがちだった学校の英語を、コミュニケーションの道具として使いこなす力をつける授業に変えていこうというのが、今回の改革のねらいです。小学校の「外国語活動」を今の5、6年生から3、4年生に早め、5年生からは教科として学び始めます。中学では、原則として高校と同じように授業は英語で行うことにします。留学や英語をいかした進路を考える生徒の英語力が、高校卒業までに実用英語技能検定(英検)2級~準1級程度になるよう授業の改善をめざすといいます。文部科学省は今後、話し合いの場を中央教育審議会にうつし、学校で教える内容をまとめた学習指導要領を2016年度に改めたい考えです。先生の養成など必要な準備を進め、18年度からだんだんと学校の授業に反映されていきます。大学入試を4技能をみる試験に変えないと、高校までの授業も変わらない――。有識者会議では、こんな話し合いも行われました。提言では、TOトーイックEFL、TOEIC、英検などの外部試験を積極的に活用するよう求めました。文部科学省は、専門家らによる協議会をつくり、活用に向けた指針を今年度中にもまとめたい考え。それぞれの級やスコアを比較する共通のものさしを作って、各大学が利用できるしくみづくりを進めます。受験生にとっては入試の英語が「一発勝負」でなく、何回もチャレンジできるようになるよさがあります。一方、都会と地方で受験の機会に不公平が出ないか、費用の負担をどうするかなどの課題もあり、解決策を協議会で検討していくといいます。有識者会議の座長で、上智大学外国語学部教授よしだけんさくの吉田研作さんは「今は学校の授業以外でも英語を必要とする機会がたくさんある。『英語は道具』という発想で、自分のやりたいことや夢を実現するために使ってほしい」と話します。イラスト・あらきあいこ英語教育改革について話し合っていた文部科学省の有識者会議は先月末、「アジアトップレベルの英語力育成」をめざした授業のあり方をまとめました。中学の英語の授業は英語トーフルで行い、大学の入学試験でTOEFLなどの外部試験を積極的に取り入れることを求めています。高校卒業までに「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を積極的に使えるようにするのが目標です。(別府薫)英語を使使ええるる道道具具に目標は「聞く」「話す」「読む」「書く」グローバル化みすえた改革

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