朝日中高生新聞10月12日
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お仕事リポート(第三種郵便物認可)82014年(平成26年)10月12日進路技術力と斬新なデザインを特徴とするイギリスの家電メーカー、ダイソン。9月25日、東京本社で報道陣を前に、新しいコードレス掃除機を説明するケビン・グラントさん(34)の姿がありました。今回発表したダイソンフラフィDC74では、ヘッドの部分に、柔らかいナイロンフェルトとカーボンファイバーのブラシを使うことで、大きなゴミも小さなゴミも両方逃さないことを目指したと説明しました。各分野の技術集結使う人の満足追求イギリス・イングランドのマルムズベリー。人口5千人ほどのこの小さな街に、ダイソンの本社と研究開発所はあり、製品に使われる技術のすべてがここで開発されます。NPI(NewProductInnovation)と呼ばれる部署では、たとえば「効率よく風を送る翼」や、「小さくて強力なモーター」など、まだ具体的にどう役立つかはわからない個々の技術を、各分野のエンジニアが研究しています。ケビンさんはスコットランド出身。大学では機械工学と芸術を学び、エンジニア(技術者)になりました。なかにはなかなか研究が完成しなかったり、失敗することもあります。でも「ダイソンでは失敗を恐れないように励まします。失敗することで成長するからです」と話します。エンジニアがそれぞれ満足する技術を完成させると、今度はそれがどんな製品に役立つか話し合われます。多くの技術を組み合わせて製品のプランを立てます。でも、ときにはモーターのエンジニアを満足させようとすると、デザインのエンジニアがノーと言うかもしれません。最終的にはエンジニアではなく、使う人が満足する物に練り上げていきます。ケビンさんはいつも思いついたアイデアや試した実験結果を書き記すノートを持っています。このノートは会社が管理し、蓄積されていきます。でも、得てしてアイデアは自宅のベッドの中で浮かびます。開発中は枕元に紙を置き、夜中に飛び起きてメモすることもあるそうです。「いまある製品のフラストレーション(不便さ)を見つけ、それを革新的な技術で解決したいと思う気持ちが、エンジニアとしてのエネルギーになります」ダイソンはグローバル企業。イギリス本国での仕事だけでなく、たくさんの人に出会い、経験をすることができるのがよい点。「日本人は技術が大好きで、革新的な商品に興味を持ち、理解してくれます。これはエンジニアとしてとてもうれしいことです」と話します。エンジニアダイソンコードレス製品開発部責任者ケビン・グラントさん(34)ケビンさんのあゆみケビンさんのあゆみ中高生時代数学と芸術の授業が好きだった。数学の先生から理系分野へ進めと勧められ、芸術の先生からはアーティストへの道を勧められた大学時代グラスゴー大学で機械工学を、同時にグラスゴー芸術学校でプロダクトデザインを学んだ2005年ダイソンにデザインエンジニアとして入社。イギリス本社、中国を経て、ここ4年間はシンガポールとマレーシアのデザイン研究開発センターで働く。コードレス製品の開発責任者をしている【エンジニア(技術者)になるには】エンジニアには機械、化学、生物学などあらゆる分野の専門家がいる。ケビンさんは機械工学と芸術の二つの大学に通い、スキルを身につけた。物づくりが好きなおじいさんの影響で幼いころから物づくりを楽しんだ。「物にしっかり触れておく経験は、問題を深く理解し、解決する力に役立つ」という。ダイソンに入社したきっかけは、ダイソンが大学で開いたワークショップに参加し、エンジニアの仕事について知ったことだった。物に触れる経験役立つ物に触れる経験役立つできあがったばかりのコードレス掃除機「ダイソンフラフィDC74MH」を前に次のアイデアを考えるケビン・グラントさん=東京都千代田区不便さの革新的解決めざす▽日時11月5日(水)午後4時30分~7時▽場所早稲田大学大隈記念講堂(東京都新宿区)▽参加費無料▽参加対象どなたでも▽事前申し込み不要早稲田大の学生による新聞「早稲田スポーツ」が今年7月に通算500号を発行し、11月に創部55周年を迎えることを記念した催しです。若い世代に、オリンピック・パラリンピックを身近に感じてもらい、2020年に向け気運を高めることが目的です。第1部は、同大スポーツまのよしゆき科学学術院の間野義之教授による課外授業形式の講演。「早稲田スポーツ」の過去の紙面を使い、クイズや映像で大学スポーツを考え、過去のオリンピック・パラリンピックと早稲田大の結びつきを紹介します。第2部は、サイレントコメディー・デュオの「が~まるちょば」による、スポーツを連想させるパフォーマンスが行われます。第3部では、同大バレーボール部出身で、アメリカ代表としてバルセロナ五輪で銅メダルを獲得したヨーコ・ゼッターランドさん=写真=が登場。同大スポーみやうちたかのりツ担当理事の宮内孝知教授、間野教授とともにパネルディスカッションを行います。東京オリンピック・パラリンピックに学生たちはどう携わることができるか、いまからできることは何か、などを考えます。詳しくは早稲田スポーツ新聞会ホームページ(http://wasedasports.com/)へ。五輪に向けてできることって?「小さく軽いことと、高い性能を両立させるのは難しい技術」と語ります=9月25日「広げようスポーツの輪!~2020東京オリンピック・パラリンピックと早稲田~」早稲田大学で一緒に考えよう!

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