朝日中高生新聞
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注目されるオンライン留学

2020年9月13日付

安く気軽に海外に触れる リスク避けつつ英語力磨くチャンス

 
 新型コロナウイルスの影響で現地に行くことが難しくなり、オンライン会議システムを使った「オンライン留学」が注目されています。ホストファミリーや友達との触れ合いは望めませんが、手軽に海外に触れる体験ができ、英語力のアップも期待できるようです。
 留学の情報提供や仲立ちをする「留学ジャーナル」で、事業の企画を担当するよこやまけんいちさんは「今年の3月以降、留学の概念が広がってきた。現地の学校で現地の空気を感じて学ぶだけでなく、オンラインも留学と見るようになってきています」と言います。
 オーストラリアの英語学校では、高校進学を目指す人のコースにオンラインの授業が設けられました。一般的な英語以外に数学や科学などのを学ぶため、留学生のニーズにも合っています。ニュージーランドでは入国できない留学生に向けて、公立の高校1校がオンライン授業を始めました。現地の高校の単位が認められます。
 留学ジャーナルは夏休みに、四つの学校の小中高生向けのオンラインコースを提供しました。初めての開講が多いためか「全体に値段は抑えめ」だったそうです。人気が高かったのはカナダの2週間のコース。1日3時間の授業で、課題やディスカッションもあり、5万円弱でした。
 「英語力を上げるという点では、オンラインでも大部分がカバーできる。先生たちもこの形での教え方を研究しています」と横山さん。新型コロナ感染症をはじめ海外でのさまざまなリスクにさらされず、手軽に海外に触れる体験ができるのがメリットです。
 もちろん現地でなければできないこともあります。ホストファミリーや友達と交流して考え方の違いを感じたり、海外の暮らしを体験したり。生活の中で話したり聞いたりする機会も増えます。「これまでの留学に取って代わることはないが、選択肢が増えたとは言えるでしょう」
 海外の大学に進学する場合、付属の英語コースで英語力をつけてから、というのが一般的です。横山さんは「英語力はオンラインで磨き、その後に現地の大学に行くという『ハイブリッド型』が出てくるのでは」と話しています。

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