朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

6月19日―6月28日

2018年7月1日付

19日 米、国連人権理事会を脱退

イスラエル批判に不満

 米国のトランプ政権は、国連人権理事会からの脱退を表明した。パレスチナ問題で同盟国のイスラエルを批判する人権理事会への不満があるためという。
 米国は昨年10月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)に脱退を通告。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」やイラン核合意からの離脱も表明している。

国連人権理事会
 世界の人権侵害に対応するほか、差別をなくすなどの条約が守られているかや全加盟国の人権状況を調べ、必要があれば決議を採択する。本部はスイスのジュネーブにある。

21日 倒れた塀の鉄筋、長さ不足

3年前、市教委に危険伝えた

 大阪北部地震で大阪府たかつき市の小学校のプールのブロック塀が倒れて小学生が亡くなった事故で、同校の校長は、3年前に塀が危険だと外部の講師から指摘を受け、市教育委員会に伝えていたことを明らかにした。市教委は現場を確認したが、安全だとしていたという。
 事故後の調べで、塀は基礎部分とブロック部分をつなぐ鉄筋の長さが短く、上まで届いていなかったことがわかった。文部科学省の依頼で調べた大阪大学大学院のさなやす准教授は、塀のつなぎ目が弱いつくりになっていたことも倒れた原因になった可能性があると指摘する。

倒れたブロック塀のイメージ画像
(C)朝日新聞社

21日 山の遭難3111人、過去最多 

2017年 警察庁

 昨年1年間に全国の山で遭難したのは3111人(前年に比べ182人増)で、うち死者・行方不明者は354人(前年に比べ35人増)だった。どちらも統計が残る1961年以降で最多。警察庁が発表した。
 中高年の登山ブームの高まりを受けて、60~70代の遭難者が45.3%を占めている。死者・行方不明者でも60歳以上が229人で64.7%だった。全体の遭難者の原因は道に迷った人が40.2%と最も多い。

22日 ミサイル避難訓練中止へ

政府、北朝鮮の発射可能性低いと判断

 政府は、北朝鮮の弾道ミサイル発射を想定し全国各地で予定していた住民避難訓練を当面の間、中止すると発表した。米国と北朝鮮の首脳会談開催など対話ムードが高まる中、北朝鮮がミサイルを発射する可能性は低いと判断した。
 訓練は昨年3月以降、25都道県で計29回行い、6月12日の米朝首脳会談直前にも群馬と福岡で実施された。

22日 EU、米への報復関税を発動

WTOの判断次第で追加も

 欧州連合(EU)は、米国のトランプ政権による鉄鋼・アルミ製品への高い関税に対抗し、米国製品への約28億ユーロ(約3600億円)相当の報復関税を発動した。米政権による関税発動で、総額64億ユーロの輸出が影響を受けるとしている。世界貿易機関(WTO)が米国の関税措置を不当と認めた場合、残りの約36億ユーロ相当の報復関税も実行に移す方針だ。

22日 OPEC 原油の減産緩和へ

米の対イラン制裁で供給減懸念

 中東などの産油国でつくる石油輸出国機構(OPECオペック)は、オーストリア・ウィーンの本部で総会を開き、昨年から協力して行っていた原油の減産を実質的に緩和することを決めた。
 5月に米国がイラン核合意から離脱し、イランへの経済制裁を再開すると発表。原油の供給が減る恐れに対応した。

石油輸出国機構(OPEC)
 「Organization of the Petroleum Exporting Countries」の略。原油を産出して輸出する国々が、自分たちの利益を守ろうと1960年に結成。話し合って産出量を調整することで、原油の価格の安定をはかる。現在の加盟国はイラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラ、カタール、リビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、ナイジェリア、エクアドル、ガボン、アンゴラ、赤道ギニア、コンゴ共和国の15カ国。

23日 沖縄慰霊の日 14歳の「平和の詩」

相良さん「生きる」を朗読

 沖縄は「れいの日」を迎えた。太平洋戦争末期、激しい地上戦が展開され、組織的な戦闘が終わったとされる日だ。いとまんであったついとう式で、うらそえ市立みなとがわ中学3年のさがりんさん(14)が自作の「平和の詩」を朗読した=写真。タイトルは「生きる」。詩の中で、この言葉が繰り返される。6分半にわたり、力強い声で暗唱した相良さんは「当たり前に生きる今が、とても貴重なものであることを伝えたかった」と話した。

相良倫子さんの写真
(C)朝日新聞社

23日 「はれのひ」元社長を逮捕

詐欺の疑い 着物レンタルや販売

 着物のレンタルや販売を行う会社「はれのひ」が今年の成人式の前に突然閉店した問題で、神奈川県警察は、同社が決算をよく見せ、銀行をだまして資金を借りたとして、元社長の男(55)を詐欺の疑いで逮捕した。容疑をおおむね認めているという。
 同社は債務(借金)が資産を超えたことを隠して資金を借りた疑いがある。お金を借りられなくなると、客の代金を運転資金に回す自転車操業になった。

23日 100回目の夏の甲子園始まる

全国高校野球選手権記念大会

 第100回を迎えた全国高校野球選手権記念大会は、南北北海道と沖縄大会が開幕した。大きな節目を記念し、地方大会は埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡が二つに分かれた。全国大会は8月5日から兵庫県西にしのみや市の阪神甲子園球場で開かれる。
 優勝校に授与される「しんの大優勝旗」が27日、阪神甲子園球場で披露された=写真。100回記念大会に合わせて新調された3代目。

深紅の大優勝旗の写真
(C)朝日新聞社

24日 桑原さん、最年少町長に

31歳、2児の母 新潟・津南町

 新潟県なん町の町長選挙が投開票され、無所属で初めて立候補した、前の町議会副議長のくわばらはるかさん(31)=写真=が初当選した。全国で最年少の町長となる。
 桑原さんは2児の母親。町長選では子育て世代への支援や町のブランド化戦略を打ち出し、57歳と67歳の男性候補を退けた。

桑原悠さんの写真
(C)朝日新聞社

24日 トルコ・エルドアン大統領が再選

強権政治の心配も

 トルコの大統領選挙が投開票され、現職のエルドアン大統領(64)=写真=が再選された。有権者は過去約15年間にわたるエルドアン政権での経済発展などを評価して、継続を選んだ。昨年春の憲法改正により選挙後は大統領に行政の権限が集中するため、権力が強くなりすぎる恐れもある。
 同時にあった総選挙では、エルドアン氏が結成し、イスラムの伝統を重んじる与党・公正発展党が単独過半数を保てなかったものの、協力する政党との連合で過半数を超えそうだ。

トルコの地図

エルドアン大統領の写真
(C)朝日新聞社

25日 震度6強以上で1千棟倒壊の危険

旧耐震基準の病院や学校 国交省 

 1981年6月に導入された今の耐震基準の前の基準で建てられた、病院や小中学校など規模が大きい全国の建物1万棟余りのうち、1割弱の約1千棟で、震度6強以上の地震が起きると、倒壊や崩壊の危険性が高いことが国土交通省のまとめでわかった。6月18日の大阪府北部を震源とする地震は最大震度6弱。より強い地震が起きた場合、大きな被害が出る恐れがある。
 同省はこれらの建物について、2025年までに耐震化したい考え。大阪北部地震の住宅被害は、4府県で8千棟を超えた。

25日 松坂投手、12年ぶりに球宴へ

ファン投票1位

 プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの選抜選手が対戦するマイナビオールスターゲームの出場選手を選ぶファン投票の結果が発表された。中日ドラゴンズのまつざかだいすけ投手(37)=写真=がセ・リーグの先発投手部門で選ばれた。2006年以来12年ぶり。
 ほかに選手間投票、監督選抜などで選手が決まり、第1戦は7月13日に京セラドーム大阪、第2戦は14日に熊本県のふじさきだい県営野球場で行われる。

松坂大輔投手の写真
(C)朝日新聞社

25日 カデミー会員候補に新海監督ら

米アカデミー賞に投票権

 米国のアカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミーは、新たな会員候補を発表した。2016年に大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」のしんかいまこと監督や俳優のイッセーがたさんら928人が選ばれた。本人が応じれば、アカデミー賞に投票権を持つ会員になる。会員は6千人以上にのぼる。

26日 大地震の確率 北海道で上昇

どの地域も備えを

 国の地震調査研究推進本部は、今後30年以内に特定の地点が強い揺れに見舞われる確率を示す「全国地震動予測地図」の2018年版を公表した。震度6弱以上の確率は、北海道南東部で前年と比べて大きく上がった。
 確率が低くても過去に大きな地震は発生している。同本部地震調査委員長で東京大学のひらなおし教授は「震度6弱以上の揺れが起きる確率がゼロの地域は全国にどこにもない。家庭や職場で備えを進めてほしい」と話す。

2018年版「全国地震動予測地図」の画像
(C)朝日新聞社

27日 東京都の受動喫煙防止条例成立

幼稚園や保育所、学校は完全禁煙

 東京都の受動喫煙を防止する条例が成立した。飲食店は従業員を雇っていれば原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)となり、国会で審議中の健康増進法改正案より規制対象が広く、都内の飲食店の約84%が対象になる。
 子どもがいる幼稚園や保育所、学校は敷地内の喫煙所設置を認めず、完全禁煙となる。年内から段階的に施行し、飲食店内の禁煙、罰則(5万円以下の過料)などを適用する全面施行は、2020年4月からの予定。

27日 はやぶさ2、リュウグウに到着

土など採取し、太陽系の起源に迫る

 宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)は、小惑星探査機「はやぶさ2」が地球と火星の間にある小惑星リュウグウの上空約20キロに到着したと発表した。
 はやぶさ2はリュウグウに約1年半滞在し、数度着陸して表面や地中から土などを採取し地球に持ち帰る予定。分析から、太陽系の起源に迫る情報が得られると期待されている。

リュウグウ
 地球から約3億キロ離れている直径約900メートルの小惑星。生命にかかわりがある水や有機物を多く含むと考えられる。

28日 スマホ契約「4年しばり」改善要求

公正取引委員会

 携帯電話会社がスマートフォンの4年払い契約を繰り返すことを条件に値引きする「4年しばり」について、公正取引委員会は「独占禁止法上、問題となる恐れがある」とする報告書を公表した。利用者が他社のスマホに変えることを不当に抑え、企業間の競争を妨げていると指摘。各社に改善を求めた。
 4年しばりはKDDI(au)やソフトバンクが導入。2年後に機種を変える場合、端末を返してまた「4年しばり」の契約を結べば1台目の残りの代金を払わずにすみ、実質半額になる。

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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