朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

6月26日―7月4日

2019年7月7日付

26日 長崎・諫早湾「開門せず」確定

最高裁で初 漁業者の訴え退ける

 長崎県のいさはや湾干拓事業をめぐる訴訟で、堤防の排水門の開門を認めない判決が確定した。最高裁判所が、開門を求めていた漁業者の訴えを退けた。
 干拓事業をめぐっては、開門を求める漁業者と、開門に反対する営農者がそれぞれ国を相手取り、訴訟を起こしている。漁業者側が開門を求めた訴訟では、2010年に福岡高等裁判所が開門を命じ、その後、判決が確定した。一方、長崎地方裁判所は13年に開門を差し止めるよう判断。二審もこの判決を支持し、漁業者が上告していた。最高裁で開門を認めない判決が確定したのは初めて。

諫早湾干拓事業
 1989年に工事を開始した国の干拓事業。長崎県の諫早湾を閉め切ってできた干拓地では2008年に農業が始まったが、有明海の環境に異変が起き、魚介類が深刻な不漁となった。

長崎県の諫早湾の潮受け堤防の位置を示した地図

 

28日 ハンセン病で差別 家族にも賠償

熊本地裁、国の責任認める判決

 ハンセン病患者に対する国の誤った隔離政策で、家族も差別を受けたとして、元患者の家族561人が国に損害賠償と謝罪を求めた集団訴訟で、熊本地方裁判所は国に総額3億7675万円の支払いを命じる判決を言い渡した。家族の被害に対して国の賠償を命じた判決は初めて。
 ハンセン病は、感染力は弱いが、進行すると顔や手足の変形などが出ることがある。特効薬ができて確実に治るとわかった後も、国は1996年まで患者を療養施設に隔離する政策を続けていた。

29日 G20閉幕 自由貿易の原則確認

米中、貿易交渉再開で合意

 主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が6月28日から2日間、大阪市で開かれ、首脳宣言として「大阪宣言」を採択して閉幕した。各首脳は自由貿易を進めるための原則を確認。問題になっている海洋プラスチックごみ対策では、2050年までに新たな汚染をゼロにすることをめざす「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を共有するとした。
 米国のトランプ大統領と中国のシーチンピン国家主席がこの日、約7カ月ぶりに会談。中国の国営通信社は、両国が貿易交渉を再開することに合意し、米国は中国からの輸入品に新たな関税をかけないと表明した、と伝えた。

30日 サニブラウン選手が2冠

陸上・日本選手権 男子100、200メートル

 福岡県で開かれた陸上の日本選手権で、男子200メートル決勝でサニブラウン・ハキーム選手(20)=写真=が20秒35で優勝した。6月28日には100メートル決勝で大会新の10秒02で2年ぶり2度目の優勝を飾っていた。
 日本陸連は7月1日、9~10月にカタールのドーハで開かれる世界選手権の代表を発表。サニブラウン選手ら男女10人が選ばれた。

サニブラウン・ハキーム選手の写真
(C)朝日新聞社

30日 トランプ米大統領、北朝鮮に入境

現職で初 非核化協議再開へ

 米国のトランプ大統領は、韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線上にあるパンムンジョムを訪れ、北朝鮮のキムジョンウン朝鮮労働党委員長と会談した。会談の前には境界線を越えて、北朝鮮の地に足を踏み入れた。現職の米国大統領としては初めて。
 両国の首脳会談は2月のベトナム・ハノイに続いて3回目。北朝鮮に核開発をやめさせるための話し合いは進まないが、トランプ氏は「2、3週間以内にチームを作って再開する」と話した。

 朝鮮半島の地図

7月1日 日本の商業捕鯨、31年ぶり再開

捕獲数は調査捕鯨の6割

 肉などを売る目的でクジラをとる商業捕鯨が、日本で31年ぶりに再開した=写真は北海道くし市で水揚げされたミンククジラ。日本は昨年12月に国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を決め、南極海や北太平洋などで行っていた調査捕鯨の代わりに商業捕鯨を始めることにした。
 水産庁が許可する捕獲可能な頭数(捕獲枠)は年間383頭で、調査捕鯨だった昨年(637頭)の6割にとどめた。

北海道釧路市で水揚げされたミンククジラの写真
(C)朝日新聞社

1日 イラン、核合意の制限破る

米の制裁への報復

 イランは、貯蔵する低濃縮ウランが2015年の「イラン核合意」で定められた制限量を超えたと明らかにした。米国が昨年5月に核合意から抜け、経済制裁を再開したことへの報復措置。3日には、核合意で制限されているウランの濃縮度を7日から高めていくと表明した。
 これを受けて、米国のトランプ大統領は3日、ツイッターで報復を。濃縮度を高めれば核兵器の原料になるため、米国は強い懸念を示している。

イラン核合意
 イランが核開発を制限するかわりに、他の国が経済の制裁を緩める合意。2015年に米国などの6カ国、ヨーロッパ連合(EU)がイランと結んだ。

3日 九州南部で記録的豪雨

196万人超に避難指示・勧告

 九州から東日本の太平洋岸にかけてとどまっていた梅雨前線が活発化し、九州南部が豪雨に見舞われた。鹿児島、宮崎両県で記録的な雨量を観測するなど、熊本県を合わせた3県の196万人超に避難指示・勧告が出た。
 鹿児島県では土砂崩れが相次いだ=写真は4日、鹿児島市の土砂崩れの現場。曽於そお市では4日、民家1棟が土砂崩れに巻き込まれ、倒壊した民家の中から女性の遺体が見つかった。気象庁は、長雨で地盤が緩み、土砂災害の危険性が一部で高まっているとして、引き続き警戒を呼びかけた。

鹿児島市の土砂崩れの現場を写した写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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