朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月15日―7月23日

2020年7月26日付

新型コロナ 「Go To」開始、イベント制限緩和先送り

●「Go To トラベル」スタート

Go To トラベルの概要図

 新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた観光業への支援策「Go To トラベル」が22日、始まった。旅行費用の半額相当を国が補助して観光需要を刺激しようとするキャンペーン。各地の駅や空港では、観光地に向かう人たちなどの姿がみられた=写真は東京・羽田空港。
 感染拡大が続く東京都内への旅行と東京都民は対象外。参加するホテルや旅館などの事業者は登録制とし、旅行者全員の検温と本人確認などの対策を義務づける。9月以降は旅行代金の15%分の「地域共通クーポン」も使えるようになる。

観光地に向かう人たちの姿がみられる羽田空港ロビーの写真
(C)朝日新聞社

・キャンセル料 政府が補償(21日)

 国土交通省は21日、東京を補助の対象外にしたことで生じる旅行のキャンセル料を補償すると発表した。当初は補償しない考えだったが、与野党から批判が相次ぎ、方針を転換。事業開始の前倒しを発表した10日から、東京を対象外にすると発表した17日までに旅行を予約した人は、キャンセル料を支払わなくてよいとした。
 政府は22日、8月1日に予定していたイベントの開催制限緩和を8月末まで先送りする方針を決定した。イベント参加者を最大5千人とする上限を維持する。

●夏休みは2週間未満 中学28%、高校18%

 コロナで休校を実施した自治体のうち、今年の夏休みを2週間未満(土日含む)とした自治体が中学校で28%、高校で18%に上ることが、文部科学省の調査でわかった。全国の公立小中高校などの休校中・再開後の課題などについて、全市町村や都道府県の教育委員会に6月23日時点の状況を尋ねた。中学校を休校した1745自治体のうち、一番短い「9日」が139(8%)。高校を休校した154自治体では、一番短い「4日」が1、最多は「23日」(18%)だった。

●ドローンで薬を患者へ 実証実験(19日)
 新型コロナウイルスの感染を避けるため、オンライン診療で医師が診察し、処方した薬をドローンで患者に届ける実証実験が19日、北海道あさひかわ市であった。
 実験は経済産業省の補助事業で、全国で調剤薬局を運営するアインホールディングス(札幌市)や、ドローンの運航管理で航空大手のANAホールディングスが参加した。診察から薬の配達まで「非対面」で完結させる実験は国内で初めて。

医薬品を取り付けたドローンが飛び立った写真
医薬品を取り付けたドローン。旭川医科大学から、約500メートル離れた特別養護老人ホームへと飛び立った=19日、北海道旭川市
(C)朝日新聞社

●日本のコロナ死者、1千人超える(20日)

 新型コロナウイルスによる日本の死者が20日、都道府県の発表集計(クルーズ船含む)で1千人を超えた。厚生労働省の15日時点のまとめで死者981人を世代別にみると80代以上が約57%、70代が約27%。70代以上が約84%を占める。

●133大学病院 計313億円の赤字(20日)

 全国133の大学病院で4、5月、計約313億円の損失(赤字)が出た。医学部がある大学と病院でつくる全国医学部長病院長会議が20日、発表した。新型コロナウイルスの患者受け入れに伴う負担増と、患者や手術数の減少、空き病床の増加などが要因。133病院の合計で、4月は191億円、5月は122億円の損失(赤字)。


 世界の感染者は約1543万人、死者は約63万人。
 日本国内で確認された感染者はクルーズ船の723人を含め計2万9038人。うち退院者は2万1694人(23日現在)。国内の感染者数は23日、新たに全国で981人に上り、過去最多を更新。東京都では同日、新たに366人の感染を確認し、1日あたりの感染者が初めて300人を超えた。

15日 日産がブランドロゴ刷新

不正問題のイメージ回復図る

 日産自動車はブランドロゴを19年ぶりに刷新し、新型の電気自動車(EV)「アリア」とともに発表した。カルロス・ゴーン前会長らによる不正問題などで傷ついたブランドイメージの回復をねらう。
 1990年ごろから円の中に「NISSAN」と社名が入ったロゴを使い、何度か変更してきた。新ロゴは、基本の形は変えず、円の部分が細くなった。日産は今後1年半ほどの間に、新型車12車種を発売する計画。新型車には新しいロゴをつけるという。

16日 ESA、近距離で太陽撮影

ガス層「コロナ」の謎に迫る

 欧州宇宙機関(ESA)は、太陽に近づいて観測する探査機「ソーラー・オービター」が撮影した画像を公開した。5月下旬に太陽表面から約7700万キロの距離で撮影。「キャンプファイア」のように、太陽の表面で小さな爆発「フレア」が至るところで起きていることがわかったという。
 太陽は表面の温度が5500度前後なのに、上空にあるガス層「コロナ」は100万度以上ある。なぜ太陽の表面温度よりはるかに高温なのかといった謎を解く手がかりになりそうだ。

17日 藤井棋聖「探究心を持って」

将棋 17歳で初タイトル

 将棋の最年少タイトル獲得記録を更新し、17歳11カ月で初めてのタイトルを獲得したふじそうせいが、一夜明けて記者会見に臨んだ=写真。
 「探究 棋聖 藤井聡太」と書いた色紙を手に写真撮影に応じた。「将棋とは本当に難しいゲームで、この立場になってもまだまだ分からないことばかりだなと感じるので、これからも探究心を持って盤上に向かっていきたい」などと、晴れやかな表情で話した。

探究と書いた色紙を手に撮影に応じる藤井聡太棋聖の写真
(C)朝日新聞社

17日 子どもの7人に1人が貧困状態

厚労省 15年の調査からやや改善

 2018年の子どもの相対的貧困率が13.5%だったことが、厚生労働省が3年ごとに発表する国民生活基礎調査でわかった。前回15年調査から0.4ポイント改善したが、依然として子どもの約7人に1人が貧困状態にあり、国際的に高い水準だ。
 15年に続き2回連続の改善となるが、主に先進国でつくる経済協力開発機構(OECD)の平均12.8%(17年)を上回り、主要7カ国(G7)でも貧困率の低い順から5番目だった。

相対的貧困率
 世帯の収入から、世帯全員に所得があるとみなして子どもを含む一人ひとりの所得を試算し、順に並べたとき、真ん中の人の半分の額(18年調査では127万円)に満たない人の割合。子どもの相対的貧困率は、17歳以下の割合を示す。

17日 高校普通科、新学科設置へ

SDGsや文理の枠超えた学びを

 文部科学相のもん機関である中央教育審議会の特別部会で、高校生の約7割が通う高校普通科の再編案が示された。文系・理系の枠を超えた学びや、国連の掲げるSDGsエスディージーズ(持続可能な開発目標)の実現、地域社会の課題の解決のために学ぶ学科などを、早ければ2022年春に設置できるようにする。
 高校は①普通科②農業、工業など14学科がある専門科③普通教育と専門教育を合わせた総合学科の3種類がある。

17日 東京五輪、日程・会場変更なし

来年7月23日に開会式

 新型コロナウイルスの影響で2021年夏に延期された東京五輪の大会組織委員会は、延期後の新たな競技日程を発表した。
 大会は開会式2日前の21年7月21日、福島でのソフトボール日本戦からスタート。23日に開会式、8月8日に閉会式をともに東京・国立競技場で行う。
 基本的に延期前の日程を曜日を合わせてそのまま引き継ぎ、9都道県42会場、五輪史上最多の33競技339種目も変更はなかった。
 一方、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は17日、観客を減らすことも検討する考えを示した。

国立競技場をバックにした五輪マークのオブジェの写真
五輪マークと国立競技場=3月、東京都新宿区
(C)朝日新聞社

17日 著名人のアカウント乗っ取り

ツイッターに大規模ハッキング

 米ツイッター社は、著名人のアカウントが15日に大規模に乗っ取られた事件について、社内調査の結果を公表した。ハッカーは同社の社内ツールに侵入して、130のアカウントに攻撃を仕掛けた。このうち45アカウントを乗っ取り、ツイートを投稿していたという。
 被害にあったのは、フォロワー数の多いバラク・オバマ前米大統領や、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏ら。いずれのアカウントも、仮想通貨の送金を要求する内容が投稿された。
 米ツイッターでは、今回のように大規模に著名人のアカウントが乗っ取られるのは初めて。対処のため、一部のユーザーがツイートできない事態になり、日本の利用者にも影響が出た。

オバマ前米大統領の写真
オバマ前米大統領
(C)朝日新聞社

19日 大相撲 半年ぶりの観客

7月場所 名古屋から東京に

 大相撲7月場所が半年ぶりに観客を入れて、東京・国技館で初日を迎えた=写真。観客を入れた本場所の開催は、1月の初場所以来。春場所は無観客、夏場所は中止になっていた。
 新型コロナウイルスの影響で開催地を通常の名古屋から東京に移し、1日当たりの観客の上限を2500人に設定。客同士の間隔を空けるため最大で4人が座れるますせきを1人に限定し、大声での応援も自粛を求めている。

客同士の間隔をあけるため、観客を減らした国技館内の写真
(C)朝日新聞社

20日 USJ、入場対象を全国に

東京都民の予約変更期間を延長

 大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、新型コロナウイルスの影響に伴う入場制限を解除し、対象者を全国に広げた。
 ただ今後も来場者は、通常の客数の多い日の半分以下におさえる方針。感染者数が多い東京都民に対しては、来場する時期を見直せるよう、購入済みチケットの予約日の変更範囲を90日から1年に延長した。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの写真
入場制限を全面的に解除したユニバーサル・スタジオ・ジャパン=20日、大阪市
(C)朝日新聞社

20日 火星探査機「HOPE」、軌道へ

H2Aロケット打ち上げ成功

 三菱重工業は、H2Aロケット42号機を鹿児島県のがしま宇宙センターから打ち上げた=写真。約1時間後、アラブ首長国連邦(UAE)初の火星探査機「HOPEホープ」を高度約400キロで予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。
 HOPEは来年2月に火星を回る軌道に入り、火星大気の温度や水蒸気、ちりなどを観測する予定。

H2Aロケット
 現・宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)のもとで開発。現在は民間の三菱重工業が打ち上げを担当している。重量の異なる衛星に合わせて、ロケットの形態を選べる。

H2Aロケット打ち上げ時の写真
(C)朝日新聞社

23日 池江選手 「希望の炎輝いて」

東京五輪1年前イベントでメッセージ

 東京五輪の開会式まであと1年となったこの日、東京・国立競技場で記念イベントが開かれた。白血病からの復帰をめざす競泳女子のいけ選手(20)が「1年後の今日、この場所で希望の炎が輝いて欲しい」などと語った=写真。

池江璃花子選手の写真
(C)朝日新聞社

日付は現地時間。記事の一部は朝日新聞社の提供です。

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