朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

7月10日―7月17日

2015年7月19日付

16日 安保法案、衆院を通過 各地で抗議デモ

 安全保障関連11法案=表参照=が、衆議院を通過した。集団的自衛権を使えるようにする「武力攻撃事態法」など10の改正案と、戦争中の他国を後方支援できる新法「国際平和支援法案」。論戦は参議院に移る。
 法案は5月26日から衆院特別委員会で話し合われ、審議時間は116時間を超えた。採決前の討論でも、自民党のまつもとじゅん議員は「過去の安全保障法案の中でも最長の審議時間」と主張した。だが、国民の受け止め方は逆で、朝日新聞の7月の世論調査によると、法案に対するしんぞう首相の説明が「ていねいだ」と感じる人はわずか15%だったのに対し、「ていねいではない」は67%に上った。今国会で成立させる必要があるかについても、「ある」は19%、「ない」は66%だった。
 審議が進むにつれて、「説明が不十分」「法案は違憲」の声が広がった。6月の衆院憲法審査会では、参考人として招かれた3人の憲法学者全員が「憲法違反」と発言。自民推薦のやす・早稲田大教授は「(閣議決定は)どこまで武力行使が許されるのかも不明確で、立憲主義にもとる」と批判した。「法の番人」といわれる元内閣法制局長官も「憲法違反」と声をあげている。
 東京の国会周辺には連日、勤め帰りのサラリーマンや大学生、市民団体のメンバーらが集まり、安保法案に抗議している。
 安倍政権が衆院特別委員会で強行採決した15日は約2万5千人(主催者発表)が集まり、プラカードを掲げて抗議の声をあげた。JR大阪駅前でも学生たちが「今こそ声をあげよう」と通行人に呼びかけていた。16日も国会前でのデモに大勢の人が参加した。

安全保障法制の全体像

〈新法案〉
・国際平和支援法案
〈改正法案〉
・武力攻撃事態法改正案
・周辺事態法→重要影響事態法案
・PKO協力法改正案
・自衛隊法改正案
せんぱく検査法改正案
・米軍行動えんかつ化法→米軍等行動円滑化法案
・海上輸送規制法改正案
りょ取り扱い法改正案
・特定公共施設利用法改正案
・国家安全保障会議(NSC)設置法改正案
 (→は改正とともに法律名も変更)

抗議する大学生らの写真
安保関連法案の強行採決に抗議する大学生ら=16日夜、東京都千代田区の国会議事堂前、今井尚撮影

安保関連法案可決の様子の写真
安保関連法案が衆議院本会議で与党などの賛成多数で可決。民主、維新、共産などは退席した=16日(C)朝日新聞社

11日

 テニスのウィンブルドン選手権女子シングルスで、セリーナ・ウィリアムズ選手(米国)が3年ぶり6度目の優勝。

12日

 テニスのウィンブルドン選手権男子シングルス決勝。ノバク・ジョコビッチ選手(セルビア)が2年連続3度目の優勝。

13日 佐世保高1殺害、少女を医療少年院へ

 長崎県市で昨年7月、高校1年生の女子生徒が殺害された事件で、殺人や死体そんかいなどの非行内容で家庭裁判所(家裁)にがらを送られていた元同級生の少女について、長崎家裁は、第3種(医療)少年院にそうする保護処分を決定した。少女には、重度の自閉症スペクトラム障害(ASD)など複数の障害があると認めた。
 少女の非行については「ざんぎゃくさ、非人間性にはせんりつを禁じ得ない」としたうえで、「計画性の高さ、殺意の強固さもきわっている」と指摘した。

13日 17歳金谷選手が優勝 ゴルフ・日本アマ選手権

 ゴルフの日本アマチュア選手権決勝があり、かなたく選手(広島・広島国際学院高校2年)=写真=がなかじまけい選手(埼玉県市立おお中学校3年)選手を破って初優勝した。17歳51日の金谷選手は、2004年大会を制したドンファン選手(韓国)の大会最年少優勝記録を41日更新した。
 どちらが勝っても大会史上最年少となったマッチプレーによる決勝で、金谷選手が9ホールを残して圧勝した。

金谷拓実選手の写真
(C)朝日新聞社

13日 ギリシャ支援で「合意」 ユーロ圏首脳会議

 財政危機に陥ったギリシャへの支援について話し合う欧州連合(EU)のユーロ圏首脳会議は、新たな支援交渉を始めることで原則合意した。ただし、ギリシャが15日までに付加価値税(消費税にあたる)や年金の制度改革を法律で定めることなどが条件だ。
 新たな支援総額は、820億ユーロ(約11兆1520億円)から860億ユーロと試算。ギリシャがユーロから離脱し、世界経済が混乱する恐れはひとまず遠のいたが、ギリシャ国内では反発の声も上がっている。
 ギリシャの国会は16日、EU側との金融支援交渉の前提となる財政改革の関連法案の採決を行い、賛成多数で可決。これを受け、EU側の支援再開に向けた動きが前進することになる。

14日 イラン核協議、最終合意 大幅制限受け入れ

 イランの核問題をめぐってオーストリア・ウィーンで話し合いを続けてきた米国、英国、ドイツ、フランス、中国、ロシア6カ国とイランは、問題解決のための「包括的共同行動計画」で最終合意に達した。イランは今後10年以上にわたり核開発を大幅に制限。軍事施設への査察も、事前にイランと国際原子力機関(IAEA)で調整するという条件付きで受け入れる。見返りに、米欧や国連は原油の輸出入の禁止や金融取引制限などの制裁を解除していく。

【イランの核開発】2002年、イラン国内で核施設の建設が発覚。イランは03年、英国、ドイツ、フランスとウラン濃縮の一時停止で合意したが、06年に濃縮を再開。国連安全保障理事会の制裁決議を無視し、核開発を続けた。13年にロハニ大統領が就任し、15年4月、6カ国との間で核開発制限を盛り込んだ「枠組み」に合意した。

15日 伊方原発、規制委が許可 新基準満たす

 国の原子力規制委員会は、四国電力かた原発3号機(愛媛県伊方町)について、新規制基準を満たすと認める審査書を決定し、四国電力による安全対策の基本方針の申請を許可した。
 これで主な審査は終わり、残りの認可手続きと地元自治体の同意を得られるかに焦点が移る。再稼働は、今年の冬以降になる可能性が高い。
 審査書の決定は、九州電力せんだい原発1、2号機(鹿児島県さつせんだい市)と関西電力たかはま原発3、4号機(福井県高浜町)に続き3例目だ。

15日 新国立競技場 計画見直し 工費減額も

 2020年の東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設問題で、政権は2520億円にふくらんだ総工費を2千億円未満に減額する方向で検討に入った。巨額工費に対する世論の強い批判を受け、計画の大幅な見直しを迫られた。

16日

 あくたがわ賞にお笑いコンビ「ピース」のまたよしなおさん(35)の「火花」とけいすけさん(29)の「スクラップ・アンド・ビルド」。なお賞にひがしやまあきさん(46)の「りゅう」が決まった。

16日

 フェンシングの世界選手権がモスクワであり、男子フルーレ個人決勝でおおゆう選手(29)が初の金メダルを獲得した。



日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

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