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2015年8月9日付
東京電力福島第一原発の事故をめぐり、検察審査会は東電の勝俣恒久元会長(75)ら3人について、業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴すべきだとする2度目の議決を公表した。今後、裁判所が指定する検察官役の弁護士が3人を起訴し、裁判が始まる。福島第一原発事故の責任が、刑事裁判で問われるのは初めて。
東京地検は2013年9月に3人を不起訴としたが、昨年7月に検察審査会が「起訴相当」と議決。今年1月に地検が再び不起訴としたため、検察審査会が2度目の審査をしていた。
【強制起訴】検察官が起訴しなかった事件について、国民の中からくじで選ばれた11人の市民からなる検察審査会が、「起訴すべきだ」と2度にわたって議決した場合、容疑者が強制的に起訴される制度。
司法制度改革の一環として09年5月に始まった。起訴すべきだと議決するには、審査員11人のうち8人以上の賛成が必要。起訴するのは、裁判所から選ばれた「指定弁護士」で、裁判では検察官役として立証も担う。
内部告発サイト「ウィキリークス」が、米国の情報機関・国家安全保障局(NSA)が、少なくとも2007年以降、日本政府や日本銀行、三菱商事や三井物産といった日本企業を対象に電話を盗聴していたと発表した。盗聴した情報などに基づいてNSAが作成したとする、日本の温暖化防止政策や機密文書も公表した。
NSAは、これまでにもドイツやフランスの首脳らの電話を盗聴していた疑惑が相次いで発覚し、外交問題になった。
今回の問題について安倍晋三首相は8月5日、バイデン米副大統領と電話で会談し、「事実であれば、信頼関係を揺るがしかねない」と懸念を伝えた。
国際オリンピック委員会(IOC)は、2022年冬季五輪の開催地に北京を選んだ。同じ都市で夏冬両大会開催は初めて。
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、米ハワイ州で開かれていた参加12カ国の閣僚会合は、合意できずに閉幕した。新薬のデータ保護期間と乳製品の関税の扱いについて対立が解けなかった。
参加12カ国の閣僚会合の8月中の開催は夏季休暇と重なり困難な見通しで、次の会合が開けない状態が長引けば、交渉が失速する懸念も指摘されている。
来春卒業予定の大学生らを対象とした大企業の面接などの選考が始まった。今年は大企業の説明会や選考が「後ろ倒し」となり、就職活動が長期化。中小企業から大企業へと就職活動の順番も逆転したことで、中小の採用が難しくなっている。
一方、文部科学省の調査によると、企業から内定と引き換えに就活を終えるよう迫られる「就活終われハラスメント」(オワハラ)に悩む学生の相談も増えているという。
仮想通貨ビットコインの取引所マウント・ゴックス(東京、破産手続き中)から大量のコインや預かり金がなくなったとされる事件で、警視庁は、社内口座を管理するシステムを不正に操作したなどとして、フランス国籍のマルク・カルプレス最高経営責任者(CEO)(30)を逮捕した。
同容疑者は、預かり金などがなくなったのは、不正をしたのではなくサイバー攻撃を受けたのが原因と主張していた。しかし警視庁は、同容疑者が現金やコインの残高を書き換えて引き出し、不当な利益を得ていたとみている。
【ビットコイン】インターネット上でやり取りされる仮想通貨。世界各国の取引所で円やドルなどの通貨と交換できる。1日現在、1ビットコインの相場は約3万5千円。相場は需要と供給の関係で変動する。
エボラウイルスなど危険性の高い病原体を扱える研究施設「バイオセーフティーレベル(BSL)4」について、塩崎恭久・厚生労働相と東京都の藤野勝・武蔵村山市長が稼働させることで合意。国立感染症研究所村山庁舎で、診断や治療のための実験が国内で初めて可能になる。
【BSL4】1981年に建設されていたが、地元住民の反対もあり、危険度が一つ低い病原体を扱うBSL3として稼働していた。病原体は三重の容器で凍結保管し、壁は二重。室内の気圧を低くするなどして、病原体が外部に漏れ出ないようにするという。
BSL4は今年3月現在、世界19カ国・地域に41施設あり、主要8カ国で施設を持たないのは日本だけだった。
安倍政権は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設に関連する作業を、今月10日から1カ月間中断すると発表した。辺野古移設に反対する翁長雄志沖縄県知事との全面対決を避けるため、基地問題について協議する。
翁長知事は、工事中断中は県は埋め立て承認を取り消すなどの手続きを行わないと表明した。だが、政権は辺野古移設が「唯一の解決策」との姿勢を変えず、県も「移設は不可能」と強調。双方に譲る気配はなく、抜本的な解決への道筋は見えない。
原爆投下から70年を迎え、広島市の平和記念公園で平和記念式典が開かれた=写真。松井一実市長は平和宣言で「核兵器は非人道性の極み」とし、武力に依存しない安全保障の仕組み作りを各国に求めた。被爆者が高齢になり、体験を語れる人が減るなか、「被爆の実相」を次の世代に伝える取り組みを強化すると誓った。
式典には国内の被爆者と遺族ら約5万5千人が参列。参列国は過去最多の100カ国に上った。
(C)朝日新聞社
水泳の世界選手権(ロシア・カザニ)の女子200メートルバタフライで、星奈津美選手(24)が競泳の日本女子で初めて世界選手権の金メダルを獲得した=写真。星選手は来年のリオデジャネイロ五輪の日本代表に内定した。
一方、3日の競泳女子200メートル個人メドレー決勝では、渡部香生子選手(早稲田大1年)がこの種目の日本勢として世界選手権、五輪を通じ初のメダルとなる銀メダルを手にした。
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日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です
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