朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

4月8日―4月15日

2016年4月17日付

・覚えておきたい言葉には色をつけ、下の「KEYWORD」で説明しています。

8日 東京五輪エンブレムに4候補

国民の意見募り、25日に決定

 2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会のエンブレム委員会は、新しいエンブレムの最終候補=上のイラストは五輪の4作品=を公開した。昨年11月に募集を始め、1万4599作品が集まった。最終候補は国内外の商標調査を通過したもの。
 組織委員会はインターネット(www.emblem-comments.jp)などで17日まで、評価や意見を国民から募る。25日の最終審査ではそれらの意見も参考に議論し、21人の委員の投票で選ぶ。
 エンブレムをめぐっては、昨年7月に発表されたが、ベルギーの劇場のロゴと似ているなどの理由で、白紙に戻されていた。

五輪の新エンブレム候補1  五輪の新エンブレム候補2  五輪の新エンブレム候補3  五輪の新エンブレム候補4

8日 甘利氏問題でURなど捜査

 あまあきら・前経済再生大臣が千葉県の建設会社から現金を受け取っていた問題で、東京地方検察庁特別捜査部は、この建設会社や、同社と道路建設のしょうを交渉していた「都市再生機構(UR)」の千葉業務部などを捜索した。
 政治家や秘書が口利きの見返りに現金などを受け取ることは、法律に違反する。甘利氏側が見返りとしてもらったものかどうか、捜査を進めるとみられる。

8日 競泳・北島選手、引退を表明

 2004年アテネ、08年北京五輪で競泳の男子平泳ぎを2種目連覇したきたじまこうすけ選手(33)=写真=が、現役引退を表明した。リオデジャネイロ五輪代表の選考会を兼ねた日本選手権の男子200メートル平泳ぎの決勝で5位となり、100メートルに続いて5大会連続の五輪出場を逃した。
 北島選手は10日の引退会見で「ここまで長く真剣勝負させてもらった。幸せな選手生活。悔いはない」と振り返った。

北島康介選手の写真
(C)朝日新聞社

10日 メダル期待の桃田選手、リオ消える

男子バドミントン 賭博問題で

 日本バドミントン協会は、違法カジノでのばくを認めたももけん選手(21)ら計8人の処分を発表した。リオデジャネイロ五輪でのメダルが期待されていた桃田選手は、日本代表選手の指定を外した上で無期限の競技会出場停止。リオ五輪に出場できないことが決まった。けんいち選手(26)については、無期限登録まっしょうにした。

11日 競泳、リオ代表が決まる

アトランタ以来の中学生代表も

 日本水泳連盟は、競泳のリオデジャネイロ五輪日本代表メンバー34人を発表した。男子は日本選手権で個人メドレー2種目と200メートル自由形を制したはぎこうすけ選手(東洋大)ら17人、女子は200メートル平泳ぎで日本人初の2分19秒台をマークしたかねとう選手(Jaked)ら17人=写真は発表会見でポーズをとるひらのりまさ監督(左上)と7選手。
 いけ選手(ルネサンス亀戸)ら21人が五輪初出場となる。400メートルメドレーリレーの背泳ぎで、中学3年のさかなつ選手(スウィン南越谷)が代表入り。競泳で日本の中学生が五輪に出るのは1996年アトランタ五輪のあおやまあやさん以来。

競泳リオ五輪代表の写真
(C)朝日新聞社

11日 G7「広島宣言」採択 核不拡散で一致

 広島市で開かれた主要7カ国(G7)外相会合が、2日間の日程を終え閉幕。被爆地から核兵器のない世界を目指す「広島宣言」や、テロや難民問題などに連携して対応する共同声明を採択した。
 広島宣言は「広島、長崎の人々は原爆投下できわめて甚大な壊滅と非人間的な苦難を経験した」と指摘。包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効や、どれくらい核兵器を持っているか明らかにすることなどを求めたほか、各国の政治指導者の広島、長崎訪問を促す内容も盛り込まれた。
 各国外相は広島市の平和記念公園を訪問した=写真。核を保有する米英仏の現職外相が同公園を訪問したのは初めて。
 外相会合は、5月26、27日のG7首脳会議(伊勢志摩サミット)に向けた関係閣僚会合の始まり。首脳会議をまたいで9月まで続き、全国10カ所で開催=図。経済やエネルギー、環境問題など世界が抱える課題を話し合う。

各国外相が広島市の平和記念公園を訪問した写真

伊勢志摩サミットと関係閣僚会合の開催地の地図
どちらも(C)朝日新聞社

12日 普天間返還、日米合意から20年

辺野古への移設は中断中

 米軍てん飛行場(沖縄県わん市)の返還で日米両政府が合意して20年を迎えた。返還の前提となる同県への移設計画をめぐり、日本政府と反対する沖縄県の溝は埋まっていない。
 政府は3月、県との訴訟合戦を避けるため福岡高等裁判所那覇支部が示した和解案を受け入れ、移設工事を当面中断した。最終的な司法判断が示されれば、予定通り辺野古移設を進める考えだ。

普天間飛行場の地図

普天間飛行場の写真
市街地の中にある米軍普天間飛行場=沖縄県宜野湾市
どちらも(C)朝日新聞社

12日 衆院2補選告示、夏の参院選占う

 衆議院北海道5区と京都3区の両補欠選挙が告示された。夏の参議院議員選挙の行方を占うぜんしょう戦で、政権の経済政策「アベノミクス」への評価が論戦の焦点だ。安全保障関連法が昨年9月に成立してから初めての国政選挙でもあり、同法のや、環太平洋経済連携協定(TPP)への賛否も争われる。いずれも24日に投開票される。
 北海道5区は、自民公認と無所属の「野党統一候補」の一騎打ち。選挙結果は安倍しんぞう首相が衆参同日選挙にふみ切るかどうかの判断材料にもなりそうだ。京都3区は、民進党など野党3党の公認を含む6人が立候補した。

12日 アジア最終予選 豪・サウジと同組

サッカーW杯

 サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選の組み合わせが決まった。6大会連続6回目の出場をめざす日本は、オーストラリア(豪州)、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などと同じB組に入った。
 最終予選は9月から17年9月まで。2次予選を勝ち抜いた12チームが2組に分かれ、各組上位2チームが出場権を獲得。3位同士の勝者が北中米カリブ海4位と大陸間プレーオフをする。日本の初戦は9月1日、ホームでUAEと戦う。

12日 本屋大賞に『羊と鋼の森』

宮下奈都さん 調律師めざす青年

 全国の書店員が一番売りたい本を投票で選ぶ「第13回本屋大賞」が、みやしたさん(49)=写真=の長編小説『ひつじはがねもり』(文芸春秋)に決まった。ピアノの調律師をめざす17歳の青年の成長物語。1月に選考会があった直木賞の候補作にもなっていた。
 本屋大賞は2014年12月~15年11月に出た日本の小説が対象。全国435書店の店員552人が1次投票で10作に絞り、2次投票で大賞を決めた。

宮下奈都さんの写真
(C)朝日新聞社

13日 課税逃れ対策 各国で協議

「パナマ文書」で不正明らかに

 中米パナマの法律事務所から、タックスヘイブン(租税回避地)を使った取引に各国首脳らがかかわっていることを暴いた「パナマ文書」が流出し、各国に衝撃を与えている。各国で連携して租税回避の対応策を話し合うため、経済協力開発機構(OECD)は13日、フランス・パリで税務当局者による会議を開いた。14、15日に米ワシントンで開催の主要20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議でも議題に。
 パナマ文書は1977年から2015年にかけて作られた内部文書で、1150万点の電子メールや文書に約21万の法人の情報が入っている。10カ国の現旧指導者12人、その親族60人余りの関係する会社も含まれ、英国のキャメロン首相やロシアのプーチン大統領、中国のシーチンピー国家主席の親族や知人らの名前があがる。日本の約400の個人や企業の情報もあった。

13日 韓国与党が過半数割れ

総選挙、朴政権に打撃

 韓国総選挙(定数300)が、投開票された。パク槿大統領=写真=を支える与党セヌリ党は過半数に届かなかった。与党は、大統領に近い「親朴系」が「非朴系」の一部の現職を公認から外し、非難が集中。支持率が下がっていた。朴大統領の任期は1年10カ月残っているが、重要な法案の成立がいっそう難しくなりそうだ。
 韓国の国会は一院制で、議員の任期は4年。任期途中の解散はない。日本の衆議院議員選挙と同じく小選挙区比例代表並立制。

朴槿恵大統領の写真
(C)朝日新聞社

14日 田母神氏、公選法違反容疑で逮捕

 東京地検特捜部は、軍事評論家で元航空幕僚長のがみとし容疑者(67)を公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕した。
 田母神容疑者は2014年2月の東京都知事選で落選した後、運動員らに報酬として現金を渡した疑いがある。

14日 子ども貧困格差 日本ワースト8

 子どものいる世帯の所得格差を分析したところ、日本は先進国の41カ国中34位で、悪い方から8番目だった。国連児童基金(ユニセフ)が発表した。
 上位の北欧諸国では、最貧困層の子どもの所得は、標準的な子どもの6割ほど。日本では最貧困層の子どもは、標準的な子どもの4割未満だった。

日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

KEYWORD

G7
 Group of Sevenの略。日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの7カ国。
 この7カ国の大統領や首相が集まる首脳会議(サミット)や、財務相と中央銀行総裁が集まる会議などがある。

CTBT
 宇宙や海中、地下など、あらゆる場所での核実験を禁止する条約。1996年に国連総会で採択された。発効するには、核兵器を持つか、開発力がある44カ国すべてのじゅん手続きが必要だが、米国やインド、パキスタンなどが反発し、発効の見通しは立っていない。

TPP
 Trans―Pacific Partnershipの略。太平洋を囲む国々が国境を越えて、貿易や企業活動などを自由化する巨大な自由貿易協定(FTA)の一つ。

タックスヘイブン
 法人税や所得税などの税率がゼロか極めて低い国・地域。カリブ海のケイマン諸島や英国領バージン諸島などが有名だ。
 こうした国・地域に会社をつくり、本国のもうけを移せば節税になる。多くは工場や事務所がない「ペーパーカンパニー」。ここでの取引自体は違法ではないが、会社の情報がほとんど公表されないため税務当局の目が届きにくく、財産隠しや税金逃れとの批判がある。

OECD
 先進国を中心に経済成長、貿易の自由化、途上国の支援を目的とする国際協力機関。1961年、OEEC(欧州経済協力機構)を改組してパリに設立。日本は64年に加盟。加盟国は34カ国。

G20
 G7にアルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、欧州連合(EU)を加えた20カ国・地域。
 G20財務相・中央銀行総裁会議は、20カ国に国際通貨基金(IMF)や世界銀行などのメンバーも参加。1999年からスタートし、毎年数回、世界経済の安定や成長などを話し合う。

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