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6月23日  英国民投票、ＥＵ離脱へ

加盟国初

　英国で欧州連合（ＥＵ）からの離脱か残留かを問う国民投票が実施された。開票の結果、「離脱」は1741万742票（51.9％）、「残留」は1614万1241票（48.1％）となり、離脱派が勝利した。投票率は72.2％で、昨年5月の総選挙の66.1％を上回った。
　英国は、28カ国に拡大したＥＵから加盟国が脱退する初のケースとなる。第2次世界大戦後、拡大と深化を続けてきた欧州統合は、歴史的な転換点を迎えた。
　残留を訴えていたキャメロン首相＝写真＝は24日、10月の党大会をめどに辞任する意向を明らかにし、ＥＵとの離脱協定の交渉は新首相に任せる考えを示した。ＥＵ基本条約の規定では、離脱の交渉期間は原則2年。
　国民投票は、与党・保守党党首のキャメロン氏が2013年の公約に掲げた。背景には不況が続き、ＥＵに権限が集中する状況に国民の不満が募っていたことがある。さらに東欧諸国などからの移民が増え、職を奪われる危機感も広がっていた。
　英国の離脱決定で、世界の金融市場に動揺が広がり、24日は世界同時株安となった。東京外国為替市場は「比較的安全な資産」とされる円が買われ、一時1ドル＝99円台まで円高が進んだ。英国とＥＵの関係が不明な状態が続けば、世界規模の不安をさらに広げかねない。
　28日、ベルギー・ブリュッセルで開かれたＥＵ首脳会議で、キャメロン氏は離脱通知の時期を決めるのは次期首相との考えを強調。できるだけ早く離脱の手続きをとるよう求める他の27カ国の首脳との話し合いは平行線に終わった。英国とＥＵの離脱交渉は、英保守党がキャメロン氏の後任の党首を選ぶ9月まで始まらないことがほぼ確実になった。

どちらも(C)朝日新聞社

24日  ハンマー投げ室伏選手、引退へ

アテネ五輪金メダリスト

　男子ハンマー投げの2004年アテネ五輪金メダリスト、室むろ伏ふし広こう治じ選手（41）が、競技生活から引退する考えを明らかにした。
　リオデジャネイロ五輪選考会を兼ねた陸上競技の日本選手権（名古屋市）で12位に沈み、5大会連続の五輪出場を逃した。室伏選手は晴れやかな表情で「体力の限界を感じました」と話した。

日本選手権で最後となった投てきをする室伏広治選手＝24日、名古屋市(C)朝日新聞社

25日  阪神・福留、日米通算2000安打

　プロ野球・阪神の福ふく留どめ孝こう介すけ外野手（39）＝写真＝が、広島戦で日米通算2千安打を達成した。
　六回に二塁内野安打を放ち、大リーグでの498安打を合わせて計2千安打に到達した。日本選手の日米通算2千安打はイチロー選手（マーリンズ）、松まつ井い秀ひで喜きさんらに続き6人目。プロ野球での通算2千安打は47人が記録している。

(C)朝日新聞社

26日  18歳選挙第1号　うきは市長選

候補者ら高校前で遊説　福岡県

　福岡県うきは市の市長選挙が告示され、2人が立候補を届け出た。投開票は7月3日で、10日に投開票される参議院議員選挙より先に、18歳と19歳の有権者が投票する選挙となる。
　参院選は6月22日に公示されたが、運動期間が7日間のうきは市長選の方が先に投開票日を迎える。市内で新たに選挙権を得る18歳、19歳は約600人。候補者2人は届け出後、市内の高校前へ遊ゆう説ぜいに訪れ、部活動で登校していた生徒が校門前に集まり、耳を傾けた。

26日  メッシ選手、代表引退へ

サッカー　アルゼンチン

　サッカーのアルゼンチン代表ＦＷリオネル・メッシ選手（29）＝写真＝が代表引退を表明した。南米選手権の決勝でチリに敗れて優勝を逃した後、報道陣に「私にとっての代表は終わった」と話した。
　スペインリーグの強豪バルセロナに所属し、世界最優秀選手「ＦＩＦＡバロンドール」を史上最多の5度受賞。アルゼンチン代表でも国際Ａマッチで代表歴代最多の通算55得点をマークしている。2008年北ペ京キン五輪では金メダルを獲得した。メッシ選手は「最大限の力を尽くしてきたが、チャンピオンになれず残念だ」と話した。

26日  パナマ運河が拡張、新ルート開通

世界物流に影響も

　太平洋と大西洋をつなぐ中米のパナマ運河の拡張工事が完了し、新ルートが開通した。従来の3倍近い貨物量の大型船が航行できるようになる。1914年の操業開始以降で最大となる拡張プロジェクト。従来よりさらに大型のタンカーなどが通過できるようになった。
　エジプトのスエズ運河やアフリカ南西端の喜き望ぼう峰ほうを経由していた大型船がパナマ運河を使えば、所要日数を20日前後も短縮でき、世界の海上輸送の流れに大きな影響を与えると見られている。

(C)朝日新聞社

26日  池江選手、女子100自で日本新

リオ五輪は最多7種目に出場

　競泳の東京都高校選手権女子100㍍自由形で、リオデジャネイロ五輪代表の池いけ江え璃り花か子こ選手（東京・淑しゅく徳とく巣す鴨がも高1）が53秒69の日本新記録を樹立。池江選手の持つ日本記録は50㍍自由形、100㍍バタフライと合わせて3種目となった。
　日本水泳連盟は28日、リオ五輪競泳日本代表のエントリーを発表した。池江選手は100㍍バタフライなど個人4種目とリレーを含めて最多の7種目に挑戦する。

27日  日本陸連、五輪代表32人を発表

ケンブリッジ選手ら

　日本陸上競技連盟は、リオデジャネイロ五輪代表32人を発表した。すでに発表していたマラソン、競歩の計12人を加えて44人となった。
　男子は、100メートルで日本選手権初優勝のケンブリッジ飛鳥あすか選手（ドーム）＝写真＝、自身2度目の10秒01を今季マークしている桐生きりゅう祥よし秀ひで選手（東洋大）が初出場。女子は、100メートル、200メートルで日本記録を持つ福ふく島しま千ち里さと選手（北海道ハイテクＡＣ）が3大会連続で代表入りした。
　今後、新たに五輪参加標準記録を突破するなど日本陸連の選考基準を満たした選手などは、新たに追加される場合がある。

27日  17歳少年が不正アクセス

佐賀県立高校の生徒個人情報

　佐賀県の県立高校が管理するネットワークに不正にアクセスしたとして、警視庁と佐賀県警察は、佐賀市の無職の少年（17）を逮捕した。9校の生徒ら約1万5千人分の個人情報を自宅で保存していたことがわかった。自作ソフトを使ったり、教職員用のログイン情報を割り出したりして情報を抜き取ったとみられる。
　全国の学校で、同様のシステムを取り入れる動きが進んでおり、文部科学省は事件を受けて、有識者会議などでセキュリティーについて話し合い、再発防止策を示す考えだ。

28日  トルコの国際空港で爆発テロ

ＩＳ関与の可能性も

　トルコの最大都市イスタンブールのアタチュルク国際空港で、2度の大きな爆発が発生した。武装した3人が国際線ターミナル入り口にある保安検査場近くで銃を発砲した後、自爆した。トルコ政府は30日、死者は43人になったと発表した。
　トルコの治安当局は、過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）が関与している可能性があるとみている。

28日  南海トラフ対策を検討

「東海」から拡大案

　政府は、南海トラフ巨大地震の予測可能性や観測、評価に基づく防災対応について検討する作業部会を立ち上げた。東海地震の被害想定域を前提にしてきた大規模地震対策特別措置法の対象地域を、大規模地震が予想される南海トラフ沿いの地域まで広げるかなどを検討する。見直されれば、約40年ぶりとなる。

(C)朝日新聞社

29日  65歳以上、人口の26.7％

国勢調査速報　15歳未満を上回る

　総務省が2015年の国勢調査の速報値を発表した。65歳以上の割合は、10年の前回調査より3.7ポイント多い26.7％で過去最高に。一方、15歳未満の子どもは12.7％で過去最低。1920年に調査が始まって以来、初めて全都道府県で65歳以上の割合が15歳未満を上回った。65歳以上の人口は3342万2千人。割合は22.4％のイタリアや21.2％のドイツを上回り、主要国で最も高い。
　国勢調査は、日本に住むすべての人を対象として5年ごとに行われる。

29日  金正恩氏が国務委員長に

北朝鮮

　北朝鮮の最高人民会議（国会に相当）が開かれた。憲法が改正され、金キム正ジョン恩ウン・朝鮮労働党委員長が国家のトップに当たる「国務委員長」に就任した。
　5月の党大会で党の最高ポストに位置づけた党委員長への就任に続き、国家の最高位にも就いたことで、制度的に「正恩体制」を完成させた形だ。

7月1日  ヘイト条例が全国初施行

大阪市

　ヘイトスピーチの抑止を目指す全国初の大阪市の条例が全面施行された。有識者でつくる審査会と市がヘイトスピーチと認定すれば、発言者名を公表する仕組みとなっている。ただし、表現の自由への配慮から、条例の効果には未知数な面もある。

日付は現地時間　記事の一部は朝日新聞社の提供です

ＫＥＹＷＯＲＤ

パナマ運河
　中央アメリカのパナマ地峡を横断して、太平洋と大西洋（カリブ海）を南北に結ぶ全長約80キロの運河。米国の手で建設され、1914年に完成した。高さ26メートルの人造湖まで船を上げてから反対側に降ろす方式。水面を昇降させて船を行き来させる門が設置されている。長年米国の支配下に置かれていたが、99年末、パナマに返還された。

　2007年に新ルートの工事を開始。これにより長さ366メートル、幅49メートルまでの大型コンテナ船や大型タンカーの行き来が可能になった。

過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）
　イラクを拠点とする国際テロ組織アルカイダ系の過激派組織。2014年6月にイラク北西部からシリア東部の一帯でイスラム国家の樹立を一方的に宣言し、「イスラム国」と自称した。中東諸国のほか、ヨーロッパなどでテロ行為を繰り返し起こしている。

南海トラフ巨大地震東海地震
　東海地震は静岡県の駿河するが湾周辺を震源域として発生の可能性が高いとされるマグニチュード（Ｍ）8程度の地震で、政府は死者数を約9200人と想定する。

　駿河湾から九州沖に延びる海底の帯状のくぼみ「南海トラフ」では、最大Ｍ9レベルの地震が起こる可能性があるとしている。巨大津波などで最大で死者約32万人、約220兆円の経済被害が出ると想定している。