朝日中高生新聞
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まとめてわかる!ニュース1週間

12月15日―12月23日

2016年12月25日付

・覚えておきたい言葉には色をつけ、下の「KEYWORD」で説明しています。

15日 「全国体力・運動能力」結果を公表

スポーツ庁 08年度以降の最高値

 スポーツ庁は、2016年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を公表した。中学2年の約104万人が参加。9種目の合計点は、調査を始めた08年度以降、女子は最高値の49.41点、男子は最高値だった12年度に次ぐ42.00点だった。
 測定したのは、握力、上体起こし、ちょうたいぜんくつ、反復横とび、持久走、20㍍シャトルラン、50㍍走、立ち幅とび、ハンドボール投げ。女子は上体起こし、持久走、50㍍走など6種目で、男子は反復横とび、20㍍シャトルランで、それぞれ最高値を記録した。
 部活動についてのアンケートを初めて実施。「学校が週に何日程度の休養日を設けているか」には、週1日が54.2%と最も多く、週2日が14.1%、週3日が2.9%と続いた。設けていないは22.4%だった。

16日 北方四島で共同経済活動

日ロ首脳が合意 領土交渉は進まず

 しんぞう首相とロシアのプーチン大統領は、東京都内で首脳会談をした。会談後、北方四島で「共同経済活動」をするため協議を始めることで合意したと発表した。今後、漁業や養殖、観光、医療、環境などの分野でどのような協力ができるか話し合いを始める。日本が返還を求め続けている四島の領土交渉は進展しなかった。
 両国政府は、共同経済活動について協議を始めることが、領土問題を含む平和条約締結に向けた「重要な一歩になりうる」と説明。事業を行うにあたって、日本は「北方領土は日本固有の領土なので、ロシアの法律を適用することは認められない」と考えているのに対し、ロシアは「ロシアの法律に基づいて行われる」と主張した。
 一方、両政府は元島民らがより自由に行き来できるように、旅券やしょう(ビザ)なしで北方四島を訪問する「ビザなし交流」について、手続きの簡略化や対象者の拡大をめざす方向で一致。両国間の経済協力として計80件の事業を進めることでも合意した。

共同記者会見に臨む安倍晋三首相(右)とロシアのプーチン大統領の写真
共同記者会見に臨む安倍晋三首相(右)とロシアのプーチン大統領=16日、首相公邸
(C)朝日新聞社

16日 バレー会場、有明に新設で決着

東京五輪・パラリンピック

 2020年東京五輪・パラリンピックのバレーボール会場について、東京都のいけ知事は、既存の横浜アリーナ(横浜市)の活用をあきらめ、ありあけアリーナ(東京都こうとう区)を新たにつくると発表した。
 「ボート・カヌー」「水泳」を合わせた三つの会場で、既存の施設が使えないか考えたが、いずれも初めの計画通り新しくつくることで決着した。見直し対象とした3施設で計400億円以上の費用削減につながった。

17日 臨時国会、法案成立率94.7%

TPP、カジノ、年金など

 9月26日に開会した臨時国会が、83日間の会期を終えた。環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案・関連法案、年金制度改革法案の採決強行に続き、会期を3日間、再延長してまでカジノ解禁法を成立させるなど、衆参両院で過半数を占めた自民党の強い態度が目立った。
 今国会に政府が提出した法案は19本で、うち18本が成立した。成立率は94.7%で、秋の臨時国会としては、自民が2012年に政権復帰して以降、最高だった。

18日 レアルが鹿島を破り優勝

2年ぶり2度目 クラブW杯

 サッカーのクラブ世界一を決める「クラブワールドカップ(W杯)」は、横浜市の日産スタジアムで決勝があり、ヨーロッパ代表のレアル・マドリード(スペイン)が延長戦の末に開催国代表の鹿しまアントラーズを4-2で破り、2年ぶり2度目の優勝を果たした。レアルは延長前半、ロナルド選手の連続ゴールで勝ち越した。

ゴールを決めるロナルド選手の写真
ゴールを決めるロナルド選手⑦=18日、横浜市
(C)朝日新聞社

19日 米機オスプレイ、飛行を再開

空中での給油、控える方針

 米軍の新型輸送機「オスプレイ」が飛行を再開した。13日に沖縄県市の沿岸で着水しようとして大破した事故以来、米軍は飛行を停止していた。米軍は機体自体に問題はないと説明し、日本政府が飛行再開を認めた。沖縄県のながたけ知事は「県民不在だ」と激しく反発している。
 米軍は空中での給油が事故の原因として、空中での給油はしばらくはしない方針。

飛行を再開したオスプレイの写真
飛行を再開したオスプレイ=19日、沖縄県宜野湾市
(C)朝日新聞社

19日 クリスマス市にトラック突入

ドイツ

 ドイツ・ベルリン中心部で、買い物客らでにぎわうクリスマスいちに大型トラックが突っ込み、12人が死亡、48人が重軽傷を負った。メルケル首相は20日に会見し、「テロ攻撃とみなさざるを得ない」と犯行を強く非難した。捜査当局は事件直後に現場近くで男性を逮捕したが、証拠が不十分で釈放したと発表。同日、過激派組織「イスラム国」(IS)系列のメディアが事実上の犯行声明を出した。

19日 もんじゅ廃炉費に3750億円

政府試算

 政府の高速炉開発会議は、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県つる市)=写真=の廃炉に30年で3750億円以上かかるとする新たな試算結果を公表した。相次ぐトラブルで、20年以上ほとんど運転されずに役目を終えることになるもんじゅの事業費は、1兆4千億円以上に達する見込みになった。
 政府は21日、原子力関係閣僚会議を開き、もんじゅの廃炉を決定した。
 作業は来年度から使用済み燃料取り出し準備を開始。5年半後の2022年に取り出しを終え、30年後の47年度に完了する計画だ。

高速増殖原型炉もんじゅの写真
(C)朝日新聞社

19日 給付型奨学金 月2万~4万円

 文部科学省は、返す必要がない給付型奨学金制度の内容を正式に決めた。所得が少なく住民税のかからない(非課税)世帯のうち、1学年約2万人を対象に、国公立大学か私立大学かなどの違いで月2万~4万円を給付。児童養護施設を出た人たちに、別に入学金名目で支給する額は24万円とする。
 2017年度は特に経済的に苦しい約2650人を対象に先行して給付し、18年度から本格実施する。

2018年度からの給付型奨学金の対象、選び方、給付額などのポイントをまとめた図
(C)朝日新聞社

19日 一般会計97.5兆円、過去最高に

来年度予算案

 2017年度の国家予算案がほぼ固まった。一般会計総額は97兆4500億円程度で、過去最高となる。税収は16年度と比べ1100億円増の57兆7100億円にとどまるため、新たな国債(国の借金)の発行額は34兆3700億円となり、600億円しか減らせない。
 一般会計の歳出では、社会保障費が16年度より5千億円増の32兆4700億円。地方交付税は2900億円増の15兆5700億円となる。一方、国債のしょうかん(元本を返金すること)や利払いにあてる国債費は、日本銀行のマイナス金利政策による低金利の影響で800億円減り、23兆5300億円となった。
 安倍内閣は22日、予算案を閣議決定。1月の通常国会に提出する。

2017年度予算案の歳入と歳出を左右に並べた図
(C)朝日新聞社

20日 イプシロン打ち上げ成功 

 宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)は、新型ロケット「イプシロン」2号機を鹿児島県きもつき町のうちうら宇宙空間観測所から打ち上げた=写真。約13分後、搭載した探査衛星「エルグ」を離し、予定の軌道に投入。打ち上げは成功した。JAXAは衛星のニックネームを「あらせ」と決めた。
 イプシロンの打ち上げは2013年9月の初号機以来、3年3カ月ぶり。
 H2Aのような液体燃料ではなく、扱いやすく短時間で発射できる固体燃料を用いたロケットで、全長はH2Aの半分ほどの約26㍍。

イプシロン2号機打つ上げ時の写真
(C)朝日新聞社

20日 辺野古移設、沖縄県の敗訴確定

最高裁判決 近く工事再開

 米軍てん飛行場(沖縄県わん市)の沖縄県名護市への移設計画をめぐる裁判で、沖縄県側の敗訴が確定した。最高裁判所が判決を言い渡した。これを受け、政府は3月から中断している埋め立て工事を近く再開する方針だ。移設に反対する翁長雄志知事は、国に抵抗する考え。
 辺野古移設に必要な沿岸部の埋め立ては、なかひろかず・前知事が国の申請を承認したが、翁長知事が昨年10月に取り消した。そのため、国が知事を訴えていた。

米軍普天間飛行場と北部訓練場の地図

移設が計画されている辺野古沖の写真
移設が計画されている辺野古沖=10月、沖縄県名護市
(C)朝日新聞社

22日 沖縄の米軍施設、一部返還

北部訓練場の過半

 沖縄県ひがし村、くにがみ村にまたがる米軍の北部訓練場の約半分(4千㌶)が日本側に返還された。返還された面積は、1972年の沖縄県の本土復帰以降で最大規模。代わりに建設したヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)は、名護市沿岸で事故を起こしたばかりの米軍輸送機オスプレイが使う予定で、地元では不安の声が上がっている。

日付は現地時間 記事の一部は朝日新聞社の提供です

KEYWORD

スポーツ庁
 2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、トップ選手の競技力の向上から国民の健康を高めることまで、スポーツに関する国の仕事をまとめて行う機関。
 文部科学省の外局として、15年10月1日に発足。それまで、運動施設の整備は国土交通省、国際スポーツ交流は外務省など、複数の省庁に分かれていた仕事の司令塔を担う。文科省のほか、内閣府や外務省などの職員も配置されている。初代長官はソウル五輪の背泳ぎの金メダリスト、すずだい氏。

臨時国会
 毎年1回、1月に召集される通常国会(憲法ではじょうかい)や衆議院議員選挙の後に開かれる特別国会とは違い、内閣が必要と認めた場合などに臨時に召集される国会のこと。憲法では「臨時会」という。内閣、または衆議院、参議院の総議員の4分の1以上の要求があれば召集される。通常国会の終了後の秋に召集されるのが慣例で、補正予算の審議などが行われることが多い。期間は衆議院と参議院の両議院一致の議決で決め、2回まで延長できる。

オスプレイ
 米軍がてん飛行場(沖縄県わん市)に配備した新型輸送機。回転翼の向きを変えることで、ヘリコプターのような上下動も飛行機のような高速飛行もできる。獲物に向かって急降下するタカの一種、「ミサゴ」を意味する英語。
 米軍は2012年から普天間飛行場に24機を配備。21年までに10機をよこ基地(東京都福生ふっさ市など)に配備する方針だ。自衛隊も19年度以降に計17機を導入し、佐賀空港に配備する計画。オスプレイは開発段階などで事故が相次ぎ、配備に反対する声が強い。

もんじゅ
 福井県つる市にある核燃料サイクル開発機構の高速増殖原型炉。原子力発電所の使用済み核燃料からとり出したプルトニウムを利用して発電する施設で、研究のための原型炉。ウランとプルトニウムを燃料に、消費した以上のプルトニウムを生む。
 1994年の初臨界から運転したのは計250日。95年のナトリウム漏れ事故以降はほとんど動いていない。

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