朝日中高生新聞
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1面の記事から

5月3日憲法記念日

2015年5月3日付

憲法 みんなで考えよう

 「憲法改正」についてのニュースが、新聞やテレビで伝えられています。若い世代にわかりやすく憲法の内容を伝えている弁護士のとうまことさんに、憲法の役割などを聞きました。5月3日は憲法記念日です。(前田奈津子)

国の権力しばり 個人を尊重

安倍首相が目指す初の改正 賛成? 反対?

 「憲法は国家の権力をしばって、国民の権利を守るもの」と伊藤さんは言います。国の基本的なしくみを定め、国の中で一番大きな力をもつルールです。
 日本国憲法が制定されたのは第2次世界大戦後の1946年。当時、日本を占領していた連合国軍総司令部(GHQ)の草案がもとになっています。それまでの大日本帝国憲法は天皇に主権がありましたが、日本国憲法は国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を三つの柱としています。
 憲法を改正するには「国民投票で過半数の賛成が必要」など、ほかの法律の改正よりもハードルが高く、今まで一度も改正されていません。
 しんぞう内閣は昨年7月、歴代の内閣が「憲法9条で禁じられている」としてきた集団的自衛権を日本も使うことができると閣議決定しました。憲法を改正せず、憲法の解釈を変えることで、日本が直接攻撃されなくても、他の国のために日本の自衛隊が武力を使えるようにしたのです。
 さらに憲法改正を目指す安倍首相は、改正に必要な国会による発議と、賛成か反対かを問う国民投票を来年夏の参議院議員選挙の後にも行いたいとの考えを示しています。
 「憲法改正の議論が高まっていますが、みなさんも自分で判断できるように学生時代から憲法の知識を身につけ、関心を持つことが大切」と伊藤さんは話します。
(2面に続く)

考えるためのキーワード

【集団的自衛権】密接な関係にある外国が攻撃されたとき、自分の国が攻められていなくても外国を助け、反撃する権利のこと。

【国民投票法】憲法96条に定める憲法改正の手続きにかんする法律。第1次安倍政権のときの2007年にできた。14年6月、国民投票ができる年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる改正法が成立した。

参議院本会議の写真
改正国民投票法が賛成多数で可決・成立した参議院本会議=14年6月13日、国会内
(C)朝日新聞社

憲法に関するイラスト
イラスト・どいまき

安倍晋三首相の写真
集団的自衛権の行使容認について説明する安倍晋三首相=2014年7月1日、首相官邸
(C)朝日新聞社

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