朝日小学生新聞
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■「勉強のやり方」を教える塾、プラスティー代表の清水章弘先生が、最近の教育相談をご紹介します。第8回は「自分の部屋では勉強できない」というお悩みへの答えです。

塾の面談には、保護者のお悩みが集まります。そっと覗いてみてみましょう。今日のご相談は「リビングで勉強をするべきか」です。

「勉強のやり方」を教える塾、プラスティー代表の清水章弘です。最近の教育相談をご紹介します。子どもの力は無限大。ちょっとした「ひと工夫」でお子さんの良さを引き出してあげてください。

自分の部屋では勉強できない
【相談】うちの子は自分の部屋に入ると、集中して勉強ができません。誘惑が少ないリビングでやらせたほうがいいのでしょうか。

4つのステップで自学力をつけましょう
【回答】「リビング学習」という言葉があります。「親の目が届くところで勉強させたほうが安心だ」という考えからきているのでしょう。実際、うちの塾の小中高生に聞いてみると「そのほうが集中できる」という子達も多くいます。ただ、いつまでも「親の目」がないと勉強できないのも困ります。どうすれば、自学力をつけられるのでしょうか。

うちの塾のアプローチをご紹介しましょう。うちは、「Z」「C」「B」「A」という4つの状態に分けて、一人ひとりの生徒達を分析しています。その子がどの状態なのかを見極め、状態に合わせてアプローチしていくのです。その状態(ZCBAの4つ)と、アプローチは以下です。

Z:やり方を知らない状態:適切なやり方を教える

C:サポートが必要な状態:手取り足取り、一緒にやってみる

B:1人でできる状態:1人でやらせてみて、結果に対してフィードバックする

A:上手にできる状態:助けを求められたときに、助言をする

このように、勉強で困ったり、つまずいたりしている時、「いまこの子はどの状態なのだろう」と考えます。そのうえで、アプローチをします。たとえば、「自室で集中して勉強できるようになってほしい」とするならば、以下のようなアプローチです。

Z:横について勉強を見てあげる

C:最初の10分は横について見てあげ、集中し始めたら見守り・監視に移行する

B:子どもに任せるが、見守ることができる場所で勉強させてあげる

A:自室で勉強してOK。ただし、テスト結果次第では、話し合いのもとBやCへ。

このように「Z→C→B→A」の階段をのぼるように、状態に合わせてアプローチを変えていくのです。リビング学習に限った話で言えば、受験直前期なら無理して自室に促さず、リビングで続けてもいいでしょう。ただ、長期的にみて、自学力を鍛えていきたい場合は、ぜひ観察をしながら、お子さんに合ったアプローチをしてみてください。

今日の教育相談まとめ
・リビング学習のほうが集中できる小中高生も多い。
・自学力をつける時は4つのステップで。
・受験直前期だったら、今のままで構わない。お子さんを観察し、合ったアプローチを!

【プロフィール】
清水彰弘先生
清水章弘(しみず・あきひろ)
1987年、千葉県船橋市生まれ。海城中学高等学校、東京大学教育学部を経て、同大学院教育学研究科修士課程修了。東京・京都・大阪で「勉強のやり方」を教える塾プラスティー https://www.plus-t.jp/ を運営している。朝日小学生新聞では「勉強アドバイス」を、朝日中高生新聞では「ニュースリンク学部100科」を連載中。著書は『自ら学ぶ子を育てる! 清水先生の自宅学習相談室』(朝日新聞出版)など12冊。TBSテレビ「ひるおび」でコメンテーターとして出演中。

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