プロ家庭教師の安浪京子先生が、中学受験への親の関わり方をQ&A形式で答える連載です

第180回は「志望校を変更すべきか悩んでいます」というお悩みへの答えです。

Q.志望校を変更すべきか悩んでいます

A.11月に入ると、6年保護者から「志望校を変えた方が良いでしょうか」というご相談をたくさん頂きます。なぜそう思ったのかをお聞きすると、「模試の判定が悪い」「偏差値が届かない」と、模試を基準にされている方が大多数です。以前、12月に登壇したセミナーで「模試の判定と過去問の出来、どちらが気になりますか?」と聞いたところ、なんと半分以上の保護者の方が「模試の判定」に挙手され、驚いた覚えがあります。

模試の結果に一喜一憂する時期はもう終わりました。ここからは「過去問でどれだけ点数が取れているか」「取れるようになるか」が最重要となります。模試はあくまで模試。6年夏終わりまでは、全体の中での位置を把握するには便利ですが、実際の入試問題は学校によって千差万別です。

例えば、国語。模試では基本的に「漢字・語彙、物語文、説明文」の順で出題されることが多いですが、志望校が「物語文2題」「回答が全て記述」ならば、形式の異なる模試の結果に振り回されるのはナンセンスですよね。

というわけで、模試の結果で志望校変更を検討するのはストップ。志望校をどうするかの判断基準は「本人の思い入れ」と「過去問でどれだけ取れるか」に尽きます。とはいえ、今の時期はまだ、第一志望の過去問で合格最低点を上回ることが難しいのが当たり前。本気になった子どもは、ここから本番までに、指数関数的に伸びていきます。よって、11月の過去問の出来ではまだ判断しないでくださいね。

一方、学校名のついた模試(冠模試)は、その学校の入試問題を分析した作問の上、問題用紙・解答用紙のサイズやレイアウトも本番さながらなので、判定や順位はある程度シビアに捉える必要があります。

ただし、親御さんは求める基準が高過ぎる傾向にあります。冠模試の場合は、9月から複数回あるうち50%以上が1回でも出れば大丈夫。あと数十点で50%が80%判定になるわけですが、あちこちもったいない間違いをしていませんか?それらをかき集めたら80%に届きませんか?

もし50%以上が1回も出ない場合は、かなり厳しい戦いにはなります。それでも本人が「絶対に受験したい!」というならば、併願校を固めるのが親の役目。親の不安から熱望校を一方的に取り上げて、受験生の士気を削がないよう、細心の注意を払ってくださいね。

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【プロフィール】
安浪京子先生
 中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表。オンラインサイト『中学受験カフェ』https://juken-chugaku.com/ 主宰。受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。中学受験に関する講演やセミナーを多数開催。著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』シリーズ、このメルマガ連載をまとめた書籍『中学受験 6年生の親がすべきこと』(いずれも朝日学生新聞社)、『きょうこ先生監修 中学受験合格手帳2022』など。

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