朝日小学生新聞 毎日発行 月ぎめ1,720円 ブランケット版(8ページ) 朝日小学生新聞

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「女性が輝く社会」

 

 

 

自分らしい生き方を みんなに


岡林佐和記者  朝日新聞経済部

ジャン  女性の大臣が増えたと話題になっているよ。

 

岡林記者 9月の内閣改造で、前は2人だった女性の大臣が5人に増えた。2001年に小泉純一郎内閣ができたときと並んで最も多い。

 

ケン どんなねらいがあるの?

 

岡林記者 安倍晋三首相は「女性が輝く社会」を実現したいと力を入れていて、まずは内閣の顔ぶれに女性を増やそうとしたんだね。

 

ポン 「女性が輝く社会」ってどういうこと? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――実は日本は、ほかの先進国に比べて男女の格差が大きい国なんだ。世界経済フォーラムという経済団体が発表した、男女平等の度合いを示す世界ランキングで、136か国中105位(2013年)と、とても低い。上位にはフィンランドやノルウェー、スウェーデンなど北ヨーロッパの国が多いよ。


ジャン 日本は順位が低いんだ。


――政治家や企業の管理職に女性が少ないことや、女性がもらう賃金が男性に比べて低いことなどが原因だ。こうした男女の格差をなくしていこうというのが、政府の掲げる目標なんだね。


ケン どのくらい差があるの?


――国会の女性議員の割合は、世界平均では2割なのに、日本は8%(衆議院)。企業で、仕事の管理や監督の責任がある管理職でも、女性の割合がアメリカや、ヨーロッパは3割を超える国も多いのに、日本は1割しかいない。女性も男性と同じように仕事に就けるようにする「男女雇用機会均等法」ができてから来年で30年になるのに、あまりにも少ないね。


ポン たしか、女性の役員が誕生したというニュースもあったよ。


――ニュースになるくらい、まだめずらしいんだね。この春、男社会のイメージが強い大手銀行で女性役員が複数誕生したけれど、全体からみればごくわずかなんだ。
日本は長時間働ける人でなければ、一人前の働き手として認められない企業風土がある。だから育児休業などの制度が整ったいまも、女性が子どもを産んで仕事を続けるのはむずかしい。1人目の子どもの出産がきっかけで、約半数の女性が仕事を辞めているんだ。


ジャン えっ、半分も?


――保育園への子どものむかえなどの育児や家事は、母親がになうことがまだまだ多い。夜遅くまでは働けない母親は、仕事を続けることや昇進をすることがむずかしいんだ。女性は将来、出産したら辞めてしまうのではないかと思われて、採用の時点で敬遠されたり、入社したあとも男性に比べて重要な仕事をまかせてもらえなかったりという差別的な扱いもまだある。

 

イクメン増えてほしいね

 

ポン どうすればいいのかな?


――日本に根強い長時間労働の慣習を変えていくことが大切だ。仕事以外に育児や趣味などにあてる時間を持てることは、働く母親だけでなく、みんなにとっていいことだよね。
そして、女性が社会で活躍するためには「男性の家庭進出」も必要だ。育児に積極的な男性「イクメン」も増えているよ。


ケン ぼくも、料理が得意さ。


――みんなが大人になるころには、女性も男性も、育児や仕事を両方楽しめて、自分らしい生き方ができる社会にしていきたいな。

 

過去の記事↓

◆アップルがひさびさの新商品(2014年10月4日)

◆6年ぶりに「1ドル=109円」に(2014年9月28日)

◆「女性が輝く社会」(2014年9月21日)

2014年9月21日付

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