楽しく学ぼう新聞教室

朝日中学生ウイークリー

 

記者招き新聞作りに応用

 

 

 

 さいたま市の大谷場小学校(鏑木隆校長、児童数568人)は、毎日の生活に無理なく新聞を取り入れています。国語、社会科、総合学習など授業での活用のほか、掲示や放送で新聞に親しんでいます。


 

各自がテーマを決めて、総合のまとめの新聞づくり。「頭・肩・腹」と考えると、構成がしやすいそうです=どちらもさいたま市大谷場小で

 

 

資料や取材をもとに、自分の町について考えます

 

 

5紙を見比べる掲示板も

 

 

 子どもたちの行き来が多い2階の渡りろうかには、5つの新聞のその日の一面と埼玉県版が掲示してあります。お昼の放送では、放送委員が気になるニュースを伝えます。放送用の原稿作りで、委員はこの新聞をチェックするそうです。
 理科室の前には、科学の話題をやさしくまとめた記事がずらりと貼ってありました。磁石付きのパウチ加工がしてあり、学習に使いたい人は先生にお願いして持って行けます。
 

 4年3組では、総合学習で1学期に福祉について調べたことを、各自が新聞形式にまとめていました。「語りかけるように文を書いています」と、伊藤くん。
 4四年生は10月、朝日新聞さいたま総局長を学校に呼んで、新聞づくりの話を聞きました。「ニュースはだれがどうやって選んでるんですか」「しめ切りぎりぎりに大きなニュースが入ってきたらどうするんですか」など、時間切れになるまで質問が続いたそうです。
 特にみんなの頭に残ったのは「一番大事な記事が『頭』(面の右上部分の記事)。2番目が『肩』(面の左上)。次が『腹』(面の下)」という構成の話。新聞を作るときに応用しています。
 掲示してある新聞を見比べることもできています。「新聞社ごとにどの記事を優先するかがちがう」と坂本くん。同じニュースでも新聞によって取り上げ方に差があります。
 飯田くんは「写真の撮り方で感じることもちがう。アップで(相手に寄って)撮れば表情や気持ちがわかる。ルーズで(はなれて)撮ると全体のようすがわかるけど、表情や気持ちはわかりにくい」。坂本くんは新聞づくりで「アップとルーズの両方撮っておいて、どっちを使うかは後で考えた」そうです。
 担任の渋谷悟先生は「新聞形式でまとめると、言葉をしぼり、大事なことをまとめる力もつくのでは。『頭』にしたいけど書く内容が足りないというときは、追加の取材もしています」。ねらいに合う写真を撮り直しに行く人もいました。
 教務主任の小関洋先生はこれからも、無理なく続けられる取り組みをと考えています。

 

2011年11月8日付

実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。
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