神奈川県横浜市の白幡小学校(児童数646人)は、国語や社会、総合的な学習の時間、スピーチの宿題など幅広く新聞を教材として使っています。5年2組は社会科の授業で、高齢者を支える情報ネットワークについて学ぶため、新聞記事から高齢者に関する情報を集めていました。
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「高齢者」や「情報」に関する記事を探してスクラップしたり、大事な部分に線を引いたりする5年2組の子どもたち=どちらも神奈川県横浜市の白幡小で |
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教室内には、新聞の構成をまとめた紙が掲示されています |
記事を探してスクラップ
新聞記事をもとに情報と高齢者の関係をさぐろう――。ちょっと難しそうな授業のテーマを担任の田村拓之先生が黒板に書き出しました。授業のねらいは、新聞記事から情報やネットワークが高齢者の生活をどのように豊かにしているかを考えてもらうことです。
まず5年2組のみんなは、大人の新聞の中から「情報」「ネットワーク」「高齢者」をキーワードに、高齢者や情報にかかわる新聞記事を探し出し、スクラップしました。その記事を田村先生が用意したプリントにはりつけ、記事の中で大切だと思うところに蛍光ペンで線を引いたうえで、要約をまとめていきました。
井出くんは「住民の健康データ蓄積」という記事に注目。東日本大震災で被災した岩手県宮古市で、住民の健康情報をコンピューターにとりこみデータベース化して、引っ越しした場合でもすみやかに治療が受けられるようにする取り組みを伝える記事でした。
見出しには「高齢者」というキーワードはありませんでしたが、井出くんは「今回の震災では高齢者のみなさんもきっと大変だったと思っていたので、震災に関する記事を探していて見つけました」。被災地では健康をくずす人も多くいるはずで、健康に関する情報が必要ではないかといいます。
高齢者向けの在宅介護の必要性を訴える社説(新聞社の意見として載せる論説欄)を選んだ入山雄太くんは「ふだんは社説なんて目を通しませんが、高齢者をキーワードに探していたら目につきました。高齢者という言葉も日常生活であまり使いませんが、新聞記事では結構出てきたのでおどろきました」。
ふだんはテレビ欄と四コマまんがを見て、気になった記事に目を通すくらいという仁村さんは「テレビだと難しいニュースは聞き流して終わりですが、新聞は内容が難しくても何度も見直せるから、じっくり考えて内容を読み解くことができるからいいと思います」。
クラスでは、それぞれ選んだ記事を紹介し合い、情報が高齢者にどのように役立っているのかを、12月2日の公開授業で発表する予定です。
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