楽しく学ぼう新聞教室

朝日中学生ウイークリー

 

各紙の記事を比較しよう

 

 

 

 神奈川県逗子市の逗子小学校(児童数874人)は高学年を中心に、国語や社会、情報、総合的な学習の時間の授業で新聞を活用しています。大人の新聞の内容や新聞社による紙面のちがいなどを学ぶクラスもあります。

 


選んだ記事を鈴木先生(左から2人目)に見せます〓どちらも神奈川県逗子市の逗子小で

 

 

 

 

扱い方に違い/多様な見方知る


 5月下旬に行われた5年3組の総合学習の授業。担任の鈴木雅史先生が「今日は、みんなに新聞を比較してもらいます。ちょっと難しいけど挑戦してみてください」と語りかけました。20年近く授業やクラス作りに新聞を活用してきた鈴木先生は、このクラスで4月から新聞の紙面を読み解く授業を続けています。
 

 この日は2人1組になって、同じ日付の2つの大人の新聞から同じテーマの記事をさがし、画用紙に並べてはって内容のちがいを比べました。授業のねらいは、新聞によって記事の重要度がちがうことに気づき、世の中にはいろいろなものの見方があるのを理解すること。同じテーマのちがう記事を読み比べることで読解力も身につけます。
 

 選んだ記事は多彩です。日中韓首脳会談の政治面、プロ野球や卓球の世界選手権などのスポーツ面、東京電力福島第一原子力発電所の放射能もれ事故の社会面、タリバーンのテロ事件をあつかった国際面などの記事が画用紙にはられました。
 小林くんは東電が赤字になって社長が交代する記事を選びました。記事の大きさのほかに、見出し(記事の内容を短くまとめた文)にもちがいがあることを発見。ある新聞は一番大きな見出しを「東電赤字1・2兆円」として、赤字のニュースを最初に伝えていましたが、別の新聞は「東電 新社長に西沢氏」と社長が変わったことを大きく取り上げていました。「このニュースは家の新聞で知っていましたが、ほかの新聞と読み比べて内容がもっとわかりました」と小林くん。放射線量の記事を切り取った松本萌花さんは「新聞によって記事の大きさや見出しがぜんぜんちがうことにびっくりしました。これからは、いろいろな新聞記事を読み比べてみたい」といいます。
 

 クラスでは毎朝、日直が気になった記事を発表する「朝のスピーチ」も行っています。鈴木先生は、新聞の活用で読解力のほか、語い力や文章を書く力がつくなど学習面での効果をあげる一方で、ニュースがクラスのコミュニケーションのきっかけになるなど、クラス作りに役立っているそうです。
  今月下旬には、新聞に親しむねらいで「朝の学習」の時間を使って、全校児童が朝小を読む予定です。

 

同じニュースでも…
 プロ野球ベイスターズの村田選手が活躍した記事。ベイスターズの本拠地・横浜がある神奈川新聞(左)は、朝日新聞より大きく伝えています

 

 

 

 

 

2011年6月7日付

実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。
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