大人の新聞を読む�@

　みなさんは朝日新聞など、おもに大人が読む新聞を読んだことがありますか。朝日小学生新聞に比べると内容は難しいですが、長い夏休みにチャレンジしてみてはどうでしょう。両方の新聞を読めば、新聞の楽しみ方も広がります。今回は、読む前に知ってほしい新聞の種類について紹介します。

左から朝日、毎日、読売、日本経済、産経新聞

避難所に張り出された手書きの石巻日日新聞=3月15日、宮城県石巻市で©朝日新聞

農業専門や地域密着も

　大人向けの新聞というと、朝日新聞など全国やそれぞれの地方で有名な新聞をイメージする人が多いかもしれませんが、ほかにも数多くの種類があります。
　 全国の新聞社や通信社などでつくる社団法人日本新聞協会には133社が加盟し、そのうち406社が新聞社です。神奈川県横浜市の日本新聞博物館の新聞ライブラリーでは、加盟社が発行する新聞を中心に公開し、その数は約160紙になります。同協会に加盟していない団体も数多くあるため、国内ではさらに多くの新聞が発行されているでしょう。
　家庭で広く読まれているのは一般紙といわれる新聞です。政治や事件、経済、スポーツ、海外のできごとなどさまざまなニュースがのっています。
　一般紙のなかでも全国を対象に編集、発行されているのが全国紙です。朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、産経新聞の5つの新聞が5大紙といわれます。
　一方、地方のニュースを手厚く報道する新聞が地方紙です。都道府県単位で出されているものが多いですが、ブロック紙といわれるより広いエリアを対象にした新聞もあります。例えば、東海地方などで読まれる中日新聞、九州地方では西日本新聞があります。

被災し手書きで

　　 市などのせまい地域を対象に出される新聞は地域紙といわれます。東日本大震災後、いちやく世界に知られるようになった石巻日日新聞もその一つです。
　 宮城県石巻市の石巻日日新聞社が発行する新聞。津波で新聞を印刷する機械が使えなくなったため、被災直後の12日から6日間にわたり油性ペンで手書きした壁新聞を出しました。困難を乗り越えて発行された歴史的な紙面として、アメリカ・ワシントンのニュース総合博物館ニュージアムに展示されています。
　 一般紙以外では、スポーツのニュースを中心に伝えるスポーツ紙や専門紙があります。専門紙は、農業が専門の日本農業新聞、教育が専門の日本教育新聞といったさまざまな分野のニュースをくわしく伝える新聞です。また、国内外のニュースを英語で報道する英字新聞などもあります。