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大人の新聞を読むB
ジャーナリスト 山本博さんに聞く 日々、世の中で起きている出来事を読者に伝える新聞。今日の新聞教室では、そもそも新聞は何のためにあるのかを考えてみましょう。元朝日新聞記者でジャーナリストの山本博さんに聞きました。
速報・検証・監視こそ役割
A(山本さんの答え) 大きく分けて3つある。1つ目は「速報」。世の中の出来事を、一刻も早く国民に知らせることだ。東京電力福島第一原子力発電所(原発)の事故でいえば、「水素爆発が起きた」「牛肉が汚染されている」といった重大なことを国民は少しでも早く知りたいからね。 Q 原発事故の危険を知らせる前照灯の役割は果たしていたのでしょうか? A 残念ながら果たせなかった。国や電力会社は「原発は安全、クリーン、お金がかからない」と3つのうそをついていたけど、それを伝えてこなかった。
わからないままにしないで
Q 山本さんは朝日新聞の記者だった1988年、調査報道でリクルート事件を伝え、当時の竹下登政権の退陣につながりました。 A あれは川崎駅前の土地をめぐるわいろのやりとりについて、警察が捜査を打ち切った事件を新聞記者たちが独自に調べたことがきっかけだった。 Q 乗客である国民として大切なことは?
A 前照灯が教えることに耳をかたむけること。危険を知ったら、運転手にすぐにブレーキをかけるよう働きかける。それは、小学生はまだ参加できないけれど「選挙」だね。だれに投票するかで、自分たちの意思を示すことができる。乗客としても、自ら参加する姿勢が大事だよ。 Q 小学校で新聞を読む授業が増えています。子どものころから、新聞にふれるよさとは? A 大人の新聞は難しいからね。大人だってわからないことがたくさんある。ただ、子どものうちから、習慣づけて新聞を読むことには意味がある。そして、わからないことはお父さんやお母さんに聞く。わからないことをわからないままにしない。この姿勢が一番大切だね。
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2011年8月23日付 |
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実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。 |