スクラップの達人に聞く 上
新聞のスクラップは紙面を楽しく読むことはもちろん、学力を高めるためにも役に立ちます。東京学芸大学付属世田谷中学に通う神奈川県横浜市の辻田みどりさん(中学1年)は、朝小をスクラップして受験勉強に活用しました。スクラップのポイントを聞きました。
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辻田みどりさん(右)と母親の淑乃さん。記事をテーマにして、家族で話し合うこともありました=横浜市都筑区の自宅で |
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6年生のと きに朝小で連載されていた記事をまとめたスクラップブック |
書き込み見直し受験に活用
辻田さんがスクラップに初めてチャレンジしたのは小学4年生の夏休み。苦手にしていた国語を克服するため、新聞を毎日読んで「文字」に親しもうとしていたころでした。
購読していた朝小に目を通して、気に入ったイラストや写真を「入り口」にして、記事を切り抜きました。イラストをまじえて野菜の特徴を紹介するコーナーや、興味があった星座や歴史の記事を中心に、スクラップブックにはりつけたそうです。
辻田さんは「好きなイラストがのっていると、どんなことが書いてあるのだろうと興味がわいて、自然な感じで記事を読んでいくことができた」とふり返ります。
スクラップブックには、1ページに1枚だけ記事をはり、いろいろな書きこみができるスペースをたくさん残しておくことがポイント。意味がわからない語句なども、辞書で調べて書き出しました。
受験勉強に本格的に取り組むようになった6年生のころからは、2面にのっている学習コーナーなどもスクラップブックにまとめ、特に社会の勉強に役立てました。問題を解くだけではなく、解説などを読んで「大切だな」と感じたキーワードを書き出し、必要な情報も調べたといいます。
たとえば「青森県のリンゴの収穫量」にかんする出題なら、リンゴについて国内のおもな生産地や各県の収穫量の割合を調べ、ひと目でわかるように円グラフにしたり、重要なデータにマーカーで色をつけたりしました。
解説に出てきた「北方領土」の理解をより深めようと、改めて教科書を調べ、それぞれの島の名前やどのような問題があるのかなどをまとめたこともありました。
解答欄に答えを書きこむときは赤字で記入したり、キーワードには赤色のマーカーを引いたりしました。同じ色の透明シートを重ねて、繰り返し解いて覚えるためです。
辻田さんは「スクラップのいい点は、何回も見直せるところ。少しでも大切だなと感じた部分には、すぐに印をつけておくのがおすすめです。たとえ忘れても、目立たせておけばパッと見直すことができ、入試直前のあまり時間がないときでも、すぐにふり返ることができます」と話しています。
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