楽しく学ぼう新聞教室

朝日中学生ウイークリー

 

記事書き写し視野広げる

 

 

 

 

 神奈川県横須賀市鶴久保小の5年3組35人は、毎週水曜日の朝に自分で切り抜いてきた記事を書き写す「視写」活動を続けています。活動する中で「新聞をめくると、毎日一つは新しい発見がある」という子もいます。



 

気になった記事を貼って書き写したシートを手にする5年3組の子どもたち

 

 

時間内に記事を書き写します=どちらも神奈川県横須賀市の鶴久保小で

 

 

「めくると毎日一つは発見が」

 

 午前8時25分。きちんと席に着いた5年3組の子どもたちの手には、切り抜いた新聞記事がありました。担任の藤井伸明先生が「まず、しっかり読んでみようか」というと、みんな真剣な表情で手にしている記事を黙読し始めます。
 読み終わると、「気になった記事を写そう!」と書かれた藤井先生オリジナル書き写しシートを1枚もらいます。シートは赤、青、黄色の3種類。選んだ記事に反対の場合は赤、賛成の場合は青、黄色は自分が興味のあるテーマの記事を集める場合に選びます。
 シートを持って全員が席に着くと、藤井先生が「よ〜い、スタート」と合図。いっせいに記事をシートに書き写していきます。制限時間は5〜6分間です。
 黄色のシートを選んでいる子がめだちます。「○○シリーズ」と題して、自分が興味のあるテーマに合った記事を集めています。
 中谷さんのテーマは「ハッピーシリーズ」です。「幸せになるような記事を見つけると自分もうれしいし、みんなも読んで幸せを感じてほしいから」。この日に選んで書き写したのは、横須賀市で作られたつるし雛を東日本大震災の被災地へ贈るという記事。「家で書き写す記事をさがすのが楽しみで、新聞をめくると毎日一つは発見がある」とにっこり。
 「震災」をテーマに選んでいたのが宇田寿さん。書き写していたのは、東京電力福島第一原子力発電所の放射能もれ事故の影響で、立ち入りが禁止されている福島県の警戒区域内に11人の住民がとどまっていることを伝えた記事でした。
 「震災の記事は、被災地の人たちの思いがいっぱいつまっているようでテーマに決めました。難しい内容もありますが、被災地の人たちの大変さや気持ちが少しずつわかってきたと思います」
 達くんはスポーツシリーズ。「クラスにスポーツ好きの子が多いので、自分が注目したニュースを紹介できるのがいい。友だちとの話題にもなる」。書き写しで文章をまとめる力がついたと感じるそうです。
 クラスでは1、2学期にグループでスクラップ新聞を作ったり、社会科で学んだ成果を一人ずつ新聞形式にまとめたりしてきました。藤井先生は「新聞を使うことで、子どもたちの視野が広がったと思います。続けることで語彙力や文章力もつけられるといい」と話します。

 


2012年2月22日付

実際の紙面ではすべての漢字に読みがながついています。
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