中央自動車道笹子トンネルで天井板崩落

高度成長期に建設の道路　老朽化対策が急務

　山梨県大月市と甲州市を結ぶ中央自動車道上り線の笹子トンネルで１２月２日午前８時ごろ、コンクリート製の天井板と隔壁（間仕切りの壁）、計約３３０枚（重さ計約３６０トン）が約１３０メートルにわたって崩落した。この事故でワゴン車など３台が下敷きになり、車内にいた９人が死亡、２人が負傷した。
　同トンネルを含む区間では通行止めが続き、人の移動や物流に大きな影響が出た。トンネルの天井部分の老朽化が事故につながった可能性が高い。

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　崩落した天井板は路面から高さ４.７メートルにあり、トンネル上部の空間を左右に仕切り、外部の空気を入れ、トンネル内の排ガスを外部に送り出すためにある。
最近の主流は天井部に大きなファンをつけて排出する方式だが、崩落したトンネルと同様のつり天井方式を採用しているトンネルは全国４８カ所に計６１本ある。
国土交通省は３日、笹子トンネルと同じタイプのトンネルを緊急点検するよう、各高速道路会社などに指示した。
緊急点検ではトンネル最上部に固定しているボルト部分を金づちなどでたたき、音の響きでコンクリート内部の腐食やボルトのゆるみなどを探る「打音検査」や、ボルトを触ってゆるみを確かめる「触診」を指示。１２日までにその結果を報告するよう求めている。
笹子トンネルを含む中日本地域の高速道路や自動車専用道路などを管理運営する中日本高速道路は、崩落事故があったトンネルが開通した１９７７年以降、ボルトや金具は交換しておらず、２０００年に行った緊急点検以外で最上部のボルト部分の打音検査もしていなかった。事故後に複数のボルトや金具が天井のコンクリートから抜け落ちているのが見つかった。
山梨県警は４日、中日本高速道路の本社（名古屋市）などを業務上過失致死傷の疑いで家宅捜索した。県警は、同社による点検が不十分だったことが事故を招いた可能性もあるとみて、押収した資料を分析するなどして管理の実態を調べている。
トンネルの事故では、７９年に東名高速の日本坂トンネルで追突事故をきっかけに７人が死亡した事故や、９６年に北海道古平町の豊浜トンネルで巨大な岩盤が崩れ、バスの乗客ら２０人が死亡した事故などがあったが、いずれも交通事故や自然災害がきっかけだった。
日本の高速道路は高度経済成長期以降に急速に張りめぐらされ、東日本、中日本、西日本の高速道路３社が管理する高速道路の総延長は今年３月末時点で約８７００キロにも及ぶ。
このうち開通後３０年以上の区間は４割の約３２００キロに上り、老朽化対策が課題になっている。

就職活動「解禁」　１４年卒予定大学生　1日

　２０１４年春に卒業予定の大学３年生の就職活動が、本格的にスタートした。
　大学生の就職活動の開始時期はおととしまで３年生の１０月からだったが、日本経済団体連合会（経団連）の倫理憲章が改訂され、会社説明会など主要企業の広報活動の「解禁」は去年から１２月になった。
　リクナビやマイナビといった１４年春卒業向けの就職情報サイトもこの日にオープンした。
　期間が短くなったことで、企業研究が十分にできないと心配する声もあり、これまで以上に
熱心な活動が求められそうだ。　一方、来春の大卒予定者の１０月１日時点の就職内定率は、女子が６３.２％に伸び、男子の６３.０％を上回っている

北朝鮮、ロケット発射予告　1日

　北朝鮮の宇宙空間技術委員会の報道官は、人工衛星を載せたロケットを今月１０日から２２日の間に打ち上げると発表した。
　ロケットと長距離弾道ミサイルは基本的に同じ技術で、国際社会は北朝鮮が４月に続いてミサイル発射実験をするとみて批判を強めている。中国は２日、北朝鮮に自制を求めたほか、ロシアも３日、見直しを要請した。
　日本政府は４日、地対空誘導弾パトリオット３（ＰＡＣ３）を沖縄県内の計４カ所に展開させると発表した。

歌舞伎俳優の中村勘三郎さん死去　5日

　歌舞伎俳優の中村勘三郎（本名、波野哲明）さんが、急性呼吸窮迫症候群のため東京都文京区の病院で亡くなった。５７歳だった。
　３歳で五代目中村勘九郎を名乗り、「昔噺桃太郎」で初舞台。世話物から時代物、新作まで幅広い芸域で活躍し２００５年、十八代目勘三郎を襲名。「コクーン歌舞伎」は斬新な舞台で若者も歌舞伎に引き込んだ。大河ドラマへの出演や紅白歌合戦の司会なども務めた。
　今年７月に食道がんで摘出手術を受けた。手術は成功したものの、新たに肺炎を発症し、闘病を続けていた。

那智の田楽、ユネスコ無形文化遺産に　6日
　和歌山県那智勝浦町の伝統芸能「那智の田楽」が国連教育科学文化機関（ユネスコ）の無形文化遺産に登録された。国内の無形文化遺産は２１件となった。来年は「和食」の登録審査が行われる予定。
　「那智の田楽」は、１４〜１５世紀、京都から伝わったとされ、元は豊作を祈って演じた芸能。毎年７月１４日に熊野那智大社の「火祭り」で奉納される。国の重要無形民俗文化財にも指定されている。