朝日小学生新聞
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答えいろいろ動物学は楽しい


 読者による取材会「集まれ!こども編集部」。今回は、東武動物公園(埼玉県宮代町)で子どもたちに人気の動物を前に、朝小の子ども記者16人が生態や進化、絶滅について学びました。解説は『ざんねんないきもの事典』『わけあって絶滅しました。』などを監修する動物学者の今泉忠明(いまいずみ・ただあき)さんです。


 東武動物公園飼育課長の下康浩(しも・やすひろ)さんもいっしょに歩き、動物の飼育方法などの説明も聞きました。 ライオン、サイ、ダチョウなど10種の動物を見た中で、4種の解説を紹介します。


ウマはひづめに要注目!

ウマはひづめに要注目!

ウマと人の骨のイラストを見せながら解説する今泉忠明さん=どれも9月24日、埼玉県宮代町の東武動物公園、猪野元健撮影


 子どもたちが取材会で最初に出合った動物はポニー。体の高さが145センチ前後までのウマをまとめた呼び方です。
 今泉さんは子ども記者を前に、脚の先にあるひづめを指さしました。「これは人間でいうと中指の骨。ほかの指は退化してなくなりました。曲がるところは手首です。指先がとても長いんです」
 大昔にいた祖先は「ヒラコテリウム」という、イヌくらいの大きさの動物でした。草原を走ることを極めたため、脚がどんどん長くなり、体も大きくなったと考えられています。
 人が飼いならし、雑種になって絶滅したとされる「ターパン」という野生馬もいます。
ウシの仲間が200種を超える一方、ウマの仲間はシマウマをふくめて10種類くらいしかいません。中央アジアにすむモウコノウマなどは絶滅危惧種です。


あごが長~いゾウがいた

硬い毛が生えたアフリカゾウ

硬い毛が生えたアフリカゾウ


 大きな体で人気のアフリカゾウ。虫や暑さから体を守るため、どろを体にぬりつけています。
 「よく見ると全身に針金のような短い毛が生えてます。硬くて、飼育係が体をさすると、時々ささります」(下さん)
 祖先はバクくらいの大きさでした。そこから進化した仲間の一つが「プラティベロドン」。
 下あごがとても長く、それで土をほって草などを食べていたのでは、とみられます。「湿地ならいいですが、硬い砂地ではほるのが大変で食べられません。
 動物は周りの環境が変わると絶滅してしまうことが多いです」。野生のゾウは印鑑などに細工される象牙を目的にとらえられ、急激に数を減らしています。


ペンギンじゃなかった??

暑い中でも元気なフンボルトペンギン

暑い中でも元気なフンボルトペンギン


 比較的暖かい地方にすむフンボルトペンギン。取材したのは太陽が照り、気温が高い時でしたが、元気に泳ぎ回っていました。
よちよち歩く姿がかわいいですが、口の中にはのんだ魚がにげないようにギザギザの歯が生え、下さんによると「飼育係はかまれて腕が傷だらけになる」そうです。
 ペンギンは南半球の動物ですが、北半球にはかつて、姿が似たオオウミガラスという鳥がいました。
「イギリスの人が先にこちらを『ペンギン』と呼び、後で見つけた今のペンギンにも同じ名前をつけました」(今泉さん)。
その「元ペンギン」オオウミガラスは人間によるとり過ぎや火山の噴火などで絶滅しました。
 「鳥は空を飛び、土砂くずれなどにまきこまれにくいので、化石として残る確率は百万分の1ともいわれます。宝くじに当たる確率より低い。だから鳥の研究は大変です」


キリンには角が5本ある

反すうするキリン

反すうするキリン


 最後に見たのがキリンです。祖先は背の低いオカピに近く、アジアにもいましたが、今はアフリカにしかいません。
 食べた草を、胃袋から首をつたって再び口に運ぶ「反すう」をします。
「長い時間観察すると、食べ物が首を上がっていくのが見えます。その時、双眼鏡が役に立ちます」(今泉さん)
 もう一つ注目したのは、おでこに1本、頭に2本、耳の後ろに2本生えた角。
皮ふの下は骨でできていて、ぬけ落ちません。子ども記者は双眼鏡でじっくり観察しました。
 この角は何であるのでしょうか。「戦うためにあります。でも先がとがっていないので、大けがはしません。
おすの角ははげていて、めすの角には毛が生えています」(今泉さん)


動物学者の今泉忠明(いまいずみ・ただあき)さん 移動中もたくさん質問しました

移動中もたくさん質問しました


飼育課長の下康浩さん(中央)からも話を聞きました=小勝千尋撮影

飼育課長の下康浩さん(中央)からも話を聞きました=小勝千尋撮影



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