プロ野球期待の星 |
プラス思考で夢はかなう |
菊池雄星投手(西武)から小学生のみなさんへ |
朝小リポーターに語る
2010年のプロ野球に期待の新星が登場します。高校野球最速の154キロの左腕、花巻東高校(岩手県花巻市)の菊池雄星投手(18歳)です。西武ライオンズに入団した菊池投手に朝小リポーターがインタビュー。野球を通して学んだことや、小学生時代の話をたっぷり聞きました。
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小リポーターの質問にやさしく答えた菊池雄星投手=写真は岩手県花巻市の花巻東高校で、渡辺英明写す |
本番も練習だと思って
スランプは掃除で克服
菊池投手が寮生活で白球を追った花巻東高校の野球場。バックネット裏の一室で話を聞いたのは、岡根史弥くん(秋田県横手市横手南小四年)と竹内明日香さん(宮城県仙台市吉成小六年)。
菊池投手は、やわらかな口調で真剣に答えてくれました。
Q(リポーターの質問) 今年中学を受験するのですが、本番で強くなるにはどうすればいいですか?
A(菊池投手の答え) まずは緊張しないようにするのが一番。野球でも試合と思うから緊張する。試合は練習だと思ってやって、練習は試合だと思ってやる。
ふだん通りのことをふだん通りやれば結果は出ます。「前日になったら何やろう」というのが一番いけない。前日にやりたいことがあるなら、2〜3週間前からやって慣らしておく。そうしたら、本番は当たり前にできる。一日だけ早く寝よう、明日早く起きようだと緊張して結果が出ない。
Q スランプ(不調)におちいったら、どうやって立ち直るんですか?
A ふだん通りできず結果が出ないときは、気持ちの状態が変わってるってこと。野球がどうこうじゃなく、まず部屋や学校のロッカー、机の中を見ます。たいてい結果が出ないときはきたない。そうじして、心をきれいにしてから野球に向かいます。
小学生時代 習い事8つ
読書が好き 月10冊ほど
Q 小さいころ、いろいろ習い事をしたそうですが、野球を選んだのはなぜ?
A やっぱり一つのボールをみんなが本気になって追えるのがいい。水泳、器械体操、バレーボール、将棋やそろばんとか、8つの習い事をしましたが、一番下手だったのが野球でした。
Q どんな小学生でしたか?
A 寝なくていいって感じ。休み時間とか、5分でもいいから外に出たくて。冬でも外に出て、学校終わったらすぐグラウンドに行って夜7時、8時まで練習。家に帰っても、眠いけど素振りしようかなって100本200本やって。家の中にいないって感じかな。
Q 読書が好きと聞きました。どんな本を月何冊くらい読みますか?
A 月10冊くらい。野球の本も読むけど、人間としてどう生きるかを考えさせられる本も好きです。
日本人最速158キロ超えたい
相手に敬意持ち勝負にのぞむ
Q 1年目の目標は?
A まずは1試合でも2試合でも投げられればいいな。その中で課題も出て、2、3年目とつながれば。
Q プロで何キロくらいの球を投げたいですか?
A うーん、そうだなぁ……。スピードにこだわっていないけど。日本人の最速は158キロ、できれば超えたいですね。160出したいかな……。
Q 好きな言葉は?
A 言葉が人間をつくると思っています。いろいろあるけど――尊敬とか敬意とか。試合は試し合うって書きますね。相手も一生懸命練習してきた。相手にまず感謝の気持ちをもって、おたがい努力してここにきましたって認め合い、勝つ決意を固める。これが大事だと思います。
Q 読者の小学生にメッセージをお願いします
A 小学生のころはやりたいことを発見するのが大事。ぼくの場合、たくさんやっていた習い事が、今に完ぺきに生きてます。それぞれの指導者や友だちと出会えて、家や学校以外でも人とふれあって成長できたと思います。
「叶(かな・う)」という字は口にプラスと書きますが、マイナスを足すと「吐(は・く)」。プラスのことを口にすれば夢は叶うけど、マイナスのことも言っちゃうと「吐」になる。何でも自分には無理だなんて思わないで、プラスに考えれば夢は叶うんだって、みんなに伝えたいですね。
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