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京都市立岩倉北小学校の5年生55名が授業に参加してくれました
この日のゲスト講師は東海大学海洋学部博物館の学芸員、伊藤芳英さん。
「深海ってどんなところだと思いますか? 」。
伊藤さんの問いかけに、子どもたちが答えます。
「暗い」「冷たい」「未知の世界」――。
きょうの授業のテーマは「深海からの使者」。ミズウオという深海魚です。
駿河湾に面した静岡市の三保海岸には、全長60センチ~140センチの個体が生きたまま打ち上がるそうです。
ミズウオがふだんどんなエサを食べているのか、50年ほど前から調査が続けられています。伊藤さんは、ミズウオを解剖すると、胃の中からプラスチックごみが出てくること、そして、昔に比べてごみが見つかる確率が増えているという調査データを紹介しました。
実際にミズウオの胃から出てきた様々なプラスチックごみを、教室に持ってきてくれました。授業では、静岡市の海岸で集めた砂を使った「ミニ実験」も行いました。
砂を入れた容器に水を入れ、割り箸でよくかき混ぜます。すると、青や緑、ピンク色の小さな粒が浮き上がってきました。5ミリ以下の小さなプラごみで「マイクロプラスチック」といいます。それが、海辺の砂の中に紛れ込んでいることが分かります。
マイクロプラスチックの大部分は、もともと私たちが使っていたプラスチック製品がごみになり、細かく砕けたものです。そして、マイクロプラスチックによる汚染の現状は、簡単な実験によって自分たちで調べることができるのです。
一方、ミズウオは、ふだん私たちの目に触れることの少ない海の中が、どれだけプラスチックごみで汚染されているかを教えてくれます。
「海の自然を大切にするために、まずは自分でできることから行動してみませんか」。伊藤さんは子どもたちに、そう呼びかけました。