プロ家庭教師の安浪京子先生が、中学受験への親の関わり方をQ&A形式で答える連載です
第172回は「夏期講習を効果的に活用するには(4、5年生)」というお悩みへの答えです。
Q.夏期講習を効果的に活用するには(4、5年生)
A.この時期になると「夏期講習を休むのは、よくないですか?」「夏休みは遊んじゃダメですか?」という質問を、4、5年生のご家庭からたくさん頂きます。でも一歩引いて考えてみてください。5年生ならば入試まで1年半、4年生ならばまだ2年半あります。その間、勉強だけで走り続けることなんてできませんよね。
「でも、夏期講習を休むと、その分勉強で遅れを取ってしまう」という不安があるのもわかります。塾によっては、夏期講習が既習内容の復習ではなく、カリキュラムが進んでいく場合もあります。
休んだ分の学習内容をどこかで補完できれば理想的ですが、それほど時間に余裕がないのも事実。そこを不安に思うのではなく、逆に参加する授業への集中度が高まり、家庭での取り組み姿勢がよくなれば、むしろ好契機です。夏期講習に全て参加することで勉強した気になるよりは、よほど意味があるのではないでしょうか。
また、夏期講習は生活のペースメーカーにもなります。塾を休めば休んだ分、たしかにその学習は抜けますし、勉強ペースも生活ペースも崩れます。しかし、夏休みという長い期間はどうしたってペースは崩れるもの。どうすればペースを戻しやすいか、どう過ごすとペースが戻りにくいか、様々なトライ&エラーができるのも、長い夏休みだからこそ。むしろ、旅行や遊びで気力を充填できるチャンスもたくさんあります。
夏休みのスケジュールを立てる時は“夏期講習ありき”ではなく、どういう過ごし方をすれば我が子が元気に過ごせるか、充実した時間になるか、という視点をぜひ、持たれてみてください。10歳、11歳の夏が、豊かな時間となりますように。
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【プロフィール】
中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表。オンラインサイト『中学受験カフェ』https://juken-chugaku.com/ 主宰。受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。中学受験に関する講演やセミナーを多数開催。著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』シリーズ、このメルマガ連載をまとめた書籍『中学受験 6年生の親がすべきこと』(いずれも朝日学生新聞社)、『きょうこ先生監修 中学受験合格手帳2022』など。
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