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2019年12月21日付
2020年は、歴代の首相で在職期間が最も長くなった安倍晋三首相の政権がどこまで続くのかを占う重要な年になります。7月に東京都知事選挙があり、その後、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックが開かれます。安倍首相が進めたい憲法改正の動きにも注目です。
ジャン 来年の政治はどうなりそう?
松田京平記者 安倍政権のゆくえに注目だね。2017年に行われた衆議院の総選挙から2年ほどたち、任期も半分が過ぎた。首相が国会の状況や政治のスケジュールをにらみながら、衆議院の解散についてどう判断するのか、気になるね。
もしくは、もう解散せずに、再来年9月の自民党総裁選で任期を終えることも考えられるよ。
ポン 安倍首相がやめるのは再来年ってこと?
――そうとは限らないよ。国民の税金を使って首相が開いてきた「桜を見る会」の問題や、大臣が相次いで辞任するなど、12年から続く長期政権のひずみも指摘されているんだ。
任期が終わるのを待たずに、「五輪を花道に」という理由で退く――。こんな道すじもささやかれているよ。
ケン なるほど。
――一方で、首相はこれまで国政選挙で勝ち続けていて、内閣の支持率も歴代政権と比べれば高いんだ。
自民党の決まりである「党則」は、総裁になれるのは「連続3選まで」としていて、「4選」するには規則を変える必要があるよ。首相本人は今のところ4選を否定しているけど、党の中では4選して、さらに3年、首相を続けてほしいという声もあるんだ。
ジャン 憲法改正に向けた動きはどうなりそう?
――与党と野党の対立が激しいので、簡単に進む状況ではないよ。自民党は憲法9条に自衛隊を書きこむ改正案などを示していて、各党に合意を図りたいと考えているんだ。でも、同じ与党の公明党は慎重だ。
立憲民主党など野党は、「憲法改正より先に議論することがある」と主張しているよ。首相が野党との話し合いをあきらめ、「数の力」で押し通そうとしても、世論の反発を受けるだろうね。
ケン ほかに政治ではどんな動きがあるの?
――春には中国の習近平国家主席が、日本政府などが公式にもてなす国賓として来日を予定しているよ。日中関係にとって大きな節目になりそうだ。
いま仲が悪い韓国と、関係を持ち直せるのかどうかも注目だ。北朝鮮とは拉致問題を解決するため、金正恩・朝鮮労働党委員長と無条件での首脳会談が実現できないかを探っているよ。
ほかにも北方領土問題で交渉が続くロシア、大統領選挙をひかえるアメリカとの関係がどうなるのかも見のがせないよ。
7月には東京都知事選挙があります。全国の1割に上る1千万人以上の有権者が、1人の知事を選ぶ選挙です。毎回、国政の与党・野党がしのぎをけずります。
現職の小池百合子都知事が再選をめざします。前回2016年の選挙では圧勝し、その後、地域政党「都民ファーストの会」をつくって17年の都議会選挙でも勝ちました。その勢いで国政政党「希望の党」を結成。当時国会で野党の第一党だった民進党の分裂につながりました。このように都知事選の結果は国政にも影響するため、注目度が高くなります。
■解説
松田京平記者
朝日新聞政治部次長
ピンクは大事な言葉だよ
記事の一部は朝日新聞社の提供です。