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2019年7月25日付
小学生の8割が外遊びをしていない――そんな調査結果が、千葉大学園芸学部教授の木下勇さんの研究室による調査で明らかになりました。みなさんは外遊びは好きですか? 遊びは子どもの特権です。外遊びはなぜ大切なのでしょうか。外遊びの「プロ」にも話を聞きました。(八木みどり)
調査は2016~18年に千葉市、宮城県気仙沼市、福島県石川町と、群馬県の片品村、みなかみ町の計5市町村で行いました。2986人が回答しました。
平日に屋外で遊ぶ日が「0日」と答えたのは全体で76%に上りました。都市部、農村部にかかわらず、似た傾向でした。
放課後に遊ぶ友だちの人数は「だれもいない」が18%でした。調査の中心メンバーで、大学院生の寺田光成さんは「遊ぶ友だちが少ない子どもは予想以上でした。一方で、『5人以上』と答えた子は24%なので、実際は遊ぶ子がたくさんいる子とそうでない子にはっきり分かれているということでは」とみています。
朝小リポーターにも聞いてみました。回答した95人中、外遊びが「好き」「まあまあ好き」は84人。しかし、実際に外遊びをしている日数をたずねると、「ときどきある」「ほとんどない」が3分の2以上にあたる65人でした。「外遊びは好きだけれど、遊べていない」という状況がうかがえます。
外遊びをしない理由は、「塾や習い事があるから」がもっとも多く、34人。「通学に時間がかかるから」「外遊びをする友だちがいないので、遊びたくても遊べない」といった声もありました。
子どもに外遊びをうながす取り組みの一つとして注目されているのが、冒険あそび場(プレーパーク)です。子どもが自分の責任で自由に遊べる場所です。東京都世田谷区の羽根木公園内にある羽根木プレーパークは、日本で最初にできた常設の冒険あそび場。今年で40周年をむかえます。
訪れたのは水曜日の午後。小学生たちは物置小屋の屋根をジャンプしたり、丸太造りの建物によじ登ったり……。ふつうの公園なら大人に怒られてしまいそうですが、ここではそんなことはありません。
子どもたちを見守る天野秀昭さんは「木を切りたおされたり、けんかに刃物を持ち出されたりしてはさすがに困りますが、それ以外に特にルールはありません」と話します。
天野さんは「外遊びは、五感を働かせて自分の『中』と『外』の世界を形作ること」だといいます。子どものころの外遊び経験が、やがて大人になっていく上で大切になってくるのだそうです。
常設ではなくとも、思う存分遊べる機会を作ろうとの動きは各地に広がっているそうです。「今の時代、大人が意図して子どもの遊び場を作っていかないと、子どもは遊べない。大人が声を上げていかなければいけません」と、天野さんはうったえています。
子どもたちが外でたくさん遊ぶには、どうしたらよいでしょう。あなたの考えを教えてください。「こんな遊び場があったらいいな」という意見も大歓迎。アイデアは紙面で紹介することもあります。
あて先はメール(asasho@asagaku.co.jp)、郵便(〒104・8433 朝日小学生新聞)、ファクス(03・3545・0727)で「外遊び」係へ。しめきりは7月31日(水)。
記事の一部は朝日新聞社の提供です。