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2016年4月21日付
「110」「119」などの緊急通報や災害時の連絡に役立つとして、公衆電話が見直されています。先月には、埼玉県朝霞市で行方不明になっていた女子中学生が駅の公衆電話で緊急通報し、約2年ぶりに保護されました。使ったことがない子どもが増えています。この機会に、使い方を確認しましょう。(八木みどり)
女子中学生は、誘拐した男のもとを逃げ出し、東京都中野区のJR東中野駅の公衆電話から110番通報しました。
道路や道路に面した場所にあり、24時間だれでも使うことができる公衆電話(第1種公衆電話)は、設置の基準が法律で定められています。最低でも、街中ではおよそ500メートル四方に1台、それ以外の場所でも1キロ四方に1台が設置されています。
しかし近年は携帯電話を使う人が増えたことで、数はどんどん減ってきています。1984年度末には全国に約93万5千台あったのが、2014年度末には約18万4千台で、およそ5分の1にまで減りました。
公衆電話の役割を広める活動をする「日本公衆電話会」によると、「公衆電話の使い方がわからない子どもが増えている」。朝小リポーター50人に聞いてみても、公衆電話を使ったことはないという人は6割以上の33人に上りました。
日本公衆電話会では10年度から、子ども向けに「こども手帳」を作っています。公衆電話での緊急通報の仕方をはじめ、事件、事故から身を守る方法を紹介しています。担当者は「通学路など、身近な場所で、どこに公衆電話があるかを確認しておきましょう。使ったことがない人は、実際にお金を入れて、電話をかける練習をしてください」と話しています。
公衆電話がある場所は、インターネットで調べることができます。「公衆電話 設置場所」で検索してください。
公衆電話で家の電話や携帯電話などにかけるときはお金がかかりますが、110番(警察)や119番(消防)などの緊急通報をする場合は、お金は必要ありません。
公衆電話は、大きく2種類に分かれます。緑色で、下の方に赤いボタンがついたアナログタイプと、灰色か緑色で、ディスプレーがついているデジタルタイプです。
緊急通報は、アナログタイプは受話器を取って赤いボタンをおしてから、数字のボタンをおします。デジタルタイプは、受話器を取ったら、番号をおすだけです。
地震などで停電している場合でも、公衆電話は使うことができます。
日本公衆電話会では、「いざという時に使えるように、使い方をおぼえてほしい」としています。
先週の熊本地震のあと、NTT西日本は、熊本県と大分県で公衆電話を無料にしています。一部の避難所には特設公衆電話が置かれました。
イラスト・林美香誇
日本公衆電話会が作っている「こども手帳」
記事の一部は朝日新聞社の提供です。