朝日小学生新聞
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広島市北部 土砂災害

2014年8月23日付

もろい土 並ぶ積乱雲

 広島市北部で20日に起こった豪雨による災害。土砂災害としては過去最大級の被害となった原因として、もろくてくずれやすい地質の「まさ土」と、雲が発生し続けて並ぶ「バックビルディング現象」が指摘されています。

図・きくちろう

大雨が集中、表層が流れる

 被害があった地域の土地には、まさ土と呼ばれる土が広がっています。花こう岩が長い年月で風化して細かいつぶの土になったもので、水を大量にふくむとくずれやすい性質があります。

広島市安佐南区に流れこんだ「まさ土」とみられるどろ=21日

 21日午前、安佐南区緑井地区は流れこんだまさ土とみられるどろで沼のようになっていて、現地に入った中塚慧記者、ぬくのが大変だった」と言います。
 集中的に雨が降った地域ではバックビルディング現象が起きた可能性が高いとみられます。上昇気流で高く発達する積乱雲が、そびえるビルのように1列に並ぶようすから名づけられた現象です。
 気象庁の観測では、集中的に雨が降った地域が南西から北東に向かって直線上に延びていました。 南から暖かくしめった空気が広島市付近に大量に流れこみ、山地にぶつかって上昇、積乱雲が発生しました。積乱雲が上空で吹く南西の風に乗って風下に移動した後に、同じ場所で新しい積乱雲が発生することがくり返され、大雨がせまい範囲で降り続けたと考えられています。

日本各地に起こる可能性

 まさ土は広島市や兵庫県神戸市、岡山県などに広がっているほか、火山灰からできた「シラス」などのもろい地質は日本列島に広く分布しています。
 気象庁気象研究所(茨城県つくば市)によると、バックビルディング現象も、全国各地で起こりうると言います。
 関西大学社会安全学部の高橋智幸教授は「土砂災害は各地で起こる可能性があります」と話します。「小学生のみなさんも、住んでいる場所にどんな危険性があるか勉強しておいてください」

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