いじめの防止策を話し合う「全国いじめ問題子供サミット」が24日、東京都千代田区の文部科学省で開かれました。小中学生約150人が意見を出し合い、「いじめが起きない環境をつくる」など三つの決意文をまとめました。
その言動、大丈夫?意識を
サミットのテーマは「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でのいじめを含め、いじめの問題にどう立ち向かうか」です。子どもたちの間で無料通話アプリのLINEなどのトラブルが増えていることから、文部科学省が初めて開きました。
文科省の調査によると、2013年度、全国の学校で確認されたパソコンや携帯電話を使った嫌がらせなどのいじめは約8700件で、過去最多になっています。
最初に、栃木、埼玉などの代表の子どもたちが取り組みを発表。栃木県矢板市の片岡中は、SNSを使うときのルールを紹介。「悩みごとや相談はメールでなく、なるべく直接話すことが大切」と伝えました。
神奈川県平塚市の南原小は、学校全体で「あったか言葉」を広めていることを伝えました。「うれしい」「ありがとう」「すごいね」などの言葉は、気持ちがあたたかくなります。反対に、「いやだ」「うざい」などは「とげとげ言葉」と名付けて使わないようにしています。
「いじめにつながりそうな言動」についてクラスの29人に聞いたアンケートの結果も発表。29人のうち24人が陰口を含め「悪口を言う」のは、いじめにつながると考えていることがわかりました。
笹尾花奈さん(5年)は「いじめにつながりそうな行動を意識することが大切だと思います」。
鹿児島県薩摩川内市の隈之城小の若松優芽さん(5年)は、友だちらの長所を伝える「ポスト」を学校に備えていることを紹介しました。
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小中学生約150人がいじめに立ち向かう方法について話し合いました |
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いじめ防止の取り組みについて発表する小学生=どちらも東京都千代田区の文部科学省 |
三つの「決意文」
その後、グループに分かれて、「いじめに立ち向かうにはどうしたらいいか」を話し合い、全員で決意文をまとめました。「傍観者(何もしないで見ていること)を卒業する」「コミュニケーションを大切にする」「いじめが起きない環境をつくる」の三つです。決意文は、学校でも伝えることにしました。
橋爪晴輝くん(埼玉県富士見市鶴瀬小6年)は「悪口を言われていやな経験をしたことがあるので、いじめをなくしたい」と話していました。
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