朝日小学生新聞 毎日発行 月ぎめ1,720円 ブランケット版(8ページ) 朝日小学生新聞

ニュースでジャンケンポン

  

列車の脱線事故が続いているね

 

 

 

原因はいろいろ 応じた対策を


上沢博之記者 朝日新聞社会部

 

 

ジャン このごろ、列車が脱線したというニュースをよく見るわ。

 

上沢記者 6月は多かったね。19日に神奈川県相模原市で、車庫から出てきた小田急電鉄の電車が脱線した。21日には鹿児島県指宿市で、旅行客が多く乗るJR九州の観光特急が脱線して、15人がけがをした。22日にも北海道木古内町のJR北海道の線路で貨物列車が脱線したよ。

 

ポン 脱線って、どんなことなの?

 

 

 

 

小田急電鉄相模大野駅の近くで脱線した列車=6月19日、神奈川県相模原市どちらも©朝日新聞社

 

脱線したJR北海道の線路を調べる事故調査官ら6月23日 、北海道木古内町©朝日新聞社

 

 

 

――列車の車輪が線路から外れて、列車が落ちてしまうことだよ。線路から外れないように、車輪は内側に出っぱりがついているんだけどね。


ジャン 脱線事故は増えているの?


――国は8年前から、ひどい脱線事故の数を毎年、発表している。これまでは、2012年4月から13年3月までの1年間に起きた18件が一番多かった。国の担当者は「脱線が毎年増えているということはない。異常気象や地震などの自然災害によって、多い年も、少ない年もある」と話しているよ。


ケン 北海道では、去年も貨物列車の脱線が大きな問題になったね。


――去年9月に、北海道七飯町で貨物列車が脱線した事故だね。
専門家が調べたら、事故のずっと前から線路の幅が広がりすぎていて、すぐに直さなくてはならなかったのに、JR北海道が直していなかったことがわかったんだ。しかも、それをかくそうと、ウソをついていた。JR北海道は社長を交代させて、同じ失敗をしないよう取り組んでいるよ。


ポン それなのに、また脱線したのはなんで?


――まだわからないんだ。会社は、脱線が起こる18日前に現場の線路を検査したけど、おかしなところはなかったと言っている。もしかすると、荷物の積み方が変だったとか、貨物列車の方に問題があったのかもしれない。
脱線はいろいろなことが積み重なって起きることもあるから、理由をはっきり言えないこともある。


ケン たとえば、どんな理由で起きるの?


――JR九州の観光特急は、大雨のせいで、線路に流れこんできた土砂に乗り上げたんだ。小田急電鉄の電車は、形をよくするために車輪をけずったばかりで、レールにひっかかりやすくなっていたのが良くなかったみたい。
脱線はカーブで起きることが多くて、9年前に兵庫県尼崎市で107人が亡くなった列車の脱線事故も、カーブでスピードを出し過ぎたのが、原因の一つだったね。


ジャン どうすれば防げるの?


――国や鉄道の会社は、どうして脱線したのかを調べて、同じことが起きないように、いろいろ考えているよ。
例えば、土砂くずれをすぐに見つけて知らせる機械を取り付けたり、カーブで車輪がレールから外れないように、車輪をおさえつける脱線防止装置をレールの内側に取り付けたりしている。こうした対策をしっかりとって、脱線が起きないように手をつくしてほしいね。


 

過去の記事↓

◆政務活動費って何のためのお金?(2014年7月19日)

◆イラクでまた戦争が?(2014年7月12日)

◆列車の脱線事故が続いているね(2014年7月5日)

2014年7月5日付

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