沖縄、安保、猛暑…時事用語は200も
2011年度入試 50校80試験を分析


 中学入試の社会や理科では、最近のニュースを題材にした「時事問題」がよく出題されます。朝日小学生新聞編集部は、全国の国公私立中のうち約50校80試験の問題を分析し、2011年度はどのような時事問題が出題されたか調べました。

 

 

 

 

 

 

 

「沖縄」は43試験に登場 「普天間」は6校で出題
 分析したのは、主に首都圏・東海・関西の53校の社会と理科(公立校は適性検査)。複数回ある入試の問題も対象にしました。問題文と解答から、この1年ほどのニュースでよく取り上げられている時事用語をひろったところ、約200語が挙がりました。各語が取り上げられた試験数、そのうち記述または選択でその用語を解答する出題はいくつあるか、数えました。
 最も登場した用語は「沖縄」で43試験。アメリカ軍の普天間飛行場移設問題とからめた出題がめだち、「普天間」と記述または選択する出題が開成中(東京)など6校でありました。日米安全保障条約を答える問題も昭和学院秀英中(千葉)など8校にのぼりました。 

 

「消費税」は19、「子ども手当」は11試験で
 政治のニュースにからめて選挙制度や国会のしくみといった公民の知識を問う問題は定番で、ほとんどの学校が出題。民主党政権にかんする出題も多く、2010年夏の参議院議員選挙で民主党が議席を大きく減らしたことによる「ねじれ国会」(東京・中央大付属中など8試験、以下カッコ内は用語が問われた・登場した試験数)、税率アップが議論されている消費税(19)、子ども手当(11)や高校無償化(5)など民主党の政策もよく出ています。

 

「平城遷都1300年」で歴史 「猛暑」は理・社ともに
 歴史分野では平城遷都1300年(22)を入り口に歴史の知識を問う出題がめだちました。経済分野では国際化が進む羽田空港(10)や東北・九州新幹線(12)の全線開通などにかんする運輸の問題、国際分野では中国の経済的躍進(9)などが問われました。
 理科と社会の両方で多かったのは、10年夏の猛暑です。猛暑日の定義(埼玉・淑徳与野中、理科)や、猛暑による野菜の値上がり(神奈川・日本女子大付属中・1回、社会)などが問われています。

 

暗記ではなくニュースの理解を求める
 ニュースの「暗記」ではなく「理解」を求めていると思われる出題もあります。普天間飛行場に関して、上空からの写真を見ながら移設計画が上がっている理由を考え記述する設問(東京・鴎友学園女子中・2次)などは、このニュースのポイントが「普天間は住民が多く暮らす市街地にあること」だと理解していれば解答しやすかったでしょう。
 フェリス女学院中(神奈川)では、10年8月の広島平和記念式典で前年までとはちがう変化があったことを記述する問題がありました。原爆を投下した国であるアメリカの駐日大使が初めて式典に参加したことを問う出題です。



 

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