文・谷内 悠 (東京大学大学院・人文社会系研究科)

 

 

SF映画も倫理について考えている

 

イラスト・岡本詩子

(東京大学大学院・学際情報学府)

 

 みなさんはSFって好きですか? 小説、漫画、映画、アニメなどいろいろなSF作品がありますよね。私はどれも大好きです。最近では、映画「アベンジャーズ」のアイアンマンの技術がすごかった……!
  SFで描かれる科学技術には、こんな風に格好よくてわくわくするものがたくさんあります。
  でも、実現しちゃったらちょっと怖いものもありますよね。例えば、生まれる前に遺伝子を操作して、「いい遺伝子」をもった子どもを産むことができるようになったら? 現実にもすでに、出生前診断などが問題になっています。
  それがもっと進んだ未来を描いた「ガタカ」という映画では、「いい遺伝子」でない人は、どんなに努力をしてもそれだけで差別を受けてしまいます。それってどうなのでしょう……?
  こういうテーマは、学問的には倫理学などの分野で扱われています。
  でも、学者だけでなく、私たちみんなが考える必要のあることですよね。SFは楽しいだけでなく、私たちがそういうことを考えるきっかけにもなってくれています。
  さらに、SFに描かれてみんなが憧れる技術は早く進歩するなど、いろいろな影響力もあります。
  みなさんも、SF作品を読んだり見たりするとき、こういうことをちょっと意識してみるとおもしろいですよ。ただし、フィクションなので間違った知識もありますから、要注意です!

 

 

2012年9月9日号

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