文・大嶽晴佳 (東京大学大学院・新領域創成科学研究科)

 

 

薄手のジャージー 蜂の巣構造で丈夫

 

イラスト・岡本詩子

(東京大学大学院・学際情報学府)

 

 めっきり秋らしくなりましたね。この時期、体育祭がある学校も多いのではないでしょうか。
  さて、今回私がご紹介する好きなものは「ダンス」です。体育祭の種目の中では一番好きでした。息を合わせてみんなの動きがぴたりとそろうと、気持ちいいですよね。
  ただ、ジャージーのせいで動きにくくて苦労した記憶もあります。私の中学はジャージーが他校よりかっこよく、みんな半袖の白い体操服の上に、ジャージーを着ていました。そのせいで動きにくかったのですが、やはり友達と同じ格好で踊りたいと思い、我慢していたのです。
  ジャージーを着ると動きにくくなるのは、生地が厚いからです。薄い生地なら動きやすくなりますが、破れやすくなってしまいます。そこで最近「ハニカムジャージー」というものが開発されました。
  ハニカムジャージーは、薄い生地の上を正六角形状に編んで強くしたものです。ハニカムは元々、蜂の巣という意味で、正六角形が敷き詰められた構造のことをいい、飛行機の翼などにも使われています。正七角形以上の複雑な形では、強くなりますが、敷き詰めたとき図形の間にすき間ができて無駄に編むことになり、軽くなりません。
  一方、正三角形や正方形ではすき間なく敷き詰められますが、強さに欠けます。正六角形が一番軽くて強い形なのです。
  この動きやすいジャージーを着てもう一度、もっと楽しく友達とダンスしてみたいものです。


 

 

2012年10月14日号

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