文・大嶽晴佳 (東京大学大学院・新領域創成科学研究科)

 

 

飛行機が飛ぶ仕組みを楽しく体感

 

国立航空宇宙博物館で、飛行機の補助翼の影響を体感しました=筆者提供

 

 今回も、私の好きな博物館・科学館のアメリカ編として、11月に訪れたところをご紹介します。
 私がアメリカで一番好きな博物館は、ワシントンD.C.にある国立航空宇宙博物館です。ここには多くの航空機や宇宙機が展示されており、圧倒されます。さらに、宇宙機は宇宙のような雰囲気の部屋、航空機はそれぞれの時代の様子が再現された部屋に展示してあり、タイムスリップした気分を味わえます。
 中でも私の一番のお気に入りは、科学館のような部屋です。飛行機が飛ぶ仕組みをおもりや水、風などを動かすことで楽しく体感できるので、この部屋で一日がつぶれてしまいそうです。
 次におすすめする科学館はエクスプロラトリアムです。ここでは、ありとあらゆる展示を見て・聞いて・さわって楽しめます。科学技術館など、日本の科学館の多くはここの展示を参考にしたそうです。しかも展示は手作りのものばかり。実際に展示物を作っている工房も見学できました。
 最後に、博物館と植物園・水族館が一体化しているカリフォルニア科学アカデミーをご紹介します。ここには、すぐ目の前をチョウチョが飛ぶ熱帯雨林があります。そのまま下に行くと熱帯の海が再現され、海の生き物にさわれるなど、生命の様子を肌で感じられます。
 このようにアメリカは見るだけでなく、五感で楽しめる展示が数多くあります。日本にもこうした展示がもっと増えてほしいと思います。

 

2012年12月16日号

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