文・梶原良介 (東京大学大学院 電気系工学専攻)

 

 

高専に進学してすぐにロボット作り

 

イラスト・岡本詩子 (東京大学大学院・学際情報学府)

 

 あけましておめでとうございます。今月からこのコラムを担当する梶原良介です。ロボット工学が専門ですが、その中でも「制御」と呼ばれる物の動かし方を考える研究をしています。現在の研究テーマは、探査機を惑星に安全に着陸させることです。
 1月ですので受験が近い人も多いと思いますが、このコラムを息抜きにして頑張ってください。これから3カ月間、私自身の進路の話を交えながら、皆さんに工業や工学について知ってもらいたいと思います。
 私は9年前に高校受験をしましたが、普通の高校ではなく高等専門学校(高専)に進学しました。高専は、5年間で主に工学系の専門的な内容を学ぶ学校で、私は機械とロボットの作り方を学びました。
 高専卒業後は、大学3年生から大学に入学して2年間機械工学をさらに勉強し、その後現在の所属である東京大学の大学院に進学しました。
 皆さんにとってあまり馴染みのない経歴だと思います。普通の高校に進学して、センター試験を経て大学に入る方法とはかなり違いがありますが、専門的な内容を深く勉強できます。私は中学生の段階でやりたいことが決まっていたので、とても良い進路だと思いました。
 なぜこの進路を選んだかというと、私は中学生の時、ロボットを作る研究者になりたいと思っていたからです。中学卒業後すぐにロボット作りを体験できるのが、高専の魅力です。

 

2013年1月6日号

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